学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ33P103

理由で解く 柔道整復師

QJ33P103 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問103
問題
82歳の女性。昨晩、自宅布団の上で尻もちをついた。起床時から背部中央に痛みがあるため来所した。着座の度に痛みが強くなり、同部に叩打痛がみられる。考えられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 圧迫骨折
2 破裂骨折
3 横突起骨折
4 棘突起骨折
解答
正解1(圧迫骨折)、2(破裂骨折)
解説

高齢女性が尻もちをついた後の背部中央の痛み、着座での増悪、叩打痛。骨粗鬆症を背景とした椎体骨折で、圧迫骨折と破裂骨折の2つが考えられる。

骨粗鬆症では椎体海綿骨がもろくなり、尻もちのような軽微な外力でも潰れる。体軸方向の圧迫力が加わると、椎体の前方が楔状に潰れる圧迫骨折が生じやすい。さらに強い軸圧が加わって椎体が全周性に破裂し、後壁も損傷して骨片が脊柱管内に入り込むものが破裂骨折で、こちらは麻痺など神経症状を伴いうる。いずれも起き上がりや着座など軸圧が加わる動作で痛みが強まり、罹患椎の棘突起に叩打痛が出る。好発部位は胸腰椎移行部(Th11〜L2)。設問の情報だけでは両者を区別できないため2つとも答えになる。実務では下肢のしびれ・筋力低下・膀胱直腸障害の有無を必ず確認し、画像診断のため医療機関へ紹介する。

✓ 1. 正しい
圧迫骨折
骨粗鬆症性椎体骨折で最も多い型。椎体前方が楔状に圧潰し、体動時痛・着座時痛・棘突起の叩打痛を呈する。後壁が保たれるため神経症状は原則出ないが、遅発性に椎体が潰れて後彎変形が進むことがある。
✓ 2. 正しい
破裂骨折
より強い軸圧で椎体が破裂し、後壁が損傷して骨片が脊柱管へ突出しうる型。症状は圧迫骨折と重なるため外見だけでは区別できず、下肢の神経症状の有無を確認したうえで画像による評価が必要となる。
✗ 3. 誤り
横突起骨折
腰椎横突起の骨折は、側方からの直達外力や腰方形筋・大腰筋の急激な牽引で生じる。痛みは体幹側方に限局し、体幹の側屈・回旋で誘発される。背部中央の叩打痛という所見とは部位が合わない。
✗ 4. 誤り
棘突起骨折
直達外力によるものや、頸胸移行部で背筋の牽引によって生じるもの(スコップ作業者骨折)が知られる。尻もちによる体軸方向の圧迫力では通常生じない。
ポイント
  • 高齢者+軽微な外力+背部痛=骨粗鬆症性椎体骨折をまず疑う。
  • 好発部位は胸腰椎移行部(Th11〜L2)。
  • 圧迫骨折は前方の楔状圧潰、破裂骨折は後壁も損傷し神経症状を伴いうる。
  • 着座・起き上がりなど軸圧が加わる動作で増悪、棘突起の叩打痛が手がかり。
  • 下肢のしびれ・筋力低下・膀胱直腸障害を確認し、画像診断のため医療機関へ紹介する。
比較表
骨折受傷機転痛みの部位神経症状
圧迫骨折体軸方向の圧迫(尻もち等)背部正中、棘突起の叩打痛原則なし
破裂骨折より強い軸圧背部正中、棘突起の叩打痛伴うことがある
横突起骨折側方からの直達外力、筋の牽引体幹側方まれ
棘突起骨折直達外力、背筋の牽引棘突起局所なし
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。