学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ33P085

理由で解く 柔道整復師

QJ33P085 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問85
問題
外転型足関節骨折で起こりにくいのはどれか。
選択肢
1 三角靱帯損傷
2 内果裂離骨折
3 前距腓靱帯損傷
4 遠位脛腓靱帯損傷
解答
正解3(前距腓靱帯損傷)
解説

足部が外がえし(外転)を強制されると、内側が引き離され、外側は押しつぶされる。だから内側の三角靱帯・内果と脛腓間が傷み、外側の前距腓靱帯損傷は起こりにくい。これが答えになる。

足関節の外傷は、受傷の瞬間に足部がどちらを向いていたかで損傷部位が決まる。外転型では距骨が外方へ動くため、内側では三角靱帯が引き伸ばされて断裂するか、靱帯より骨のほうが先に負けて内果が裂離骨折を起こす。同時に距骨が外側へ押し込まれることで遠位脛腓靱帯が引き離され、さらに外果や腓骨遠位部の骨折を伴うこともある(脛腓靱帯より上方で腓骨が折れるとデュピュイトラン骨折型)。一方、前距腓靱帯は足関節外側にあり、底屈+内がえし(内反)で最も緊張する靱帯で、いわゆる足関節捻挫で最も損傷されやすい。外転型では外側は圧迫を受ける側に回るので、前距腓靱帯が引き裂かれる状況にならない。「引き離される側が傷む」という一本の原理で、内転型・外転型のどちらを問われても損傷部位を組み立てられる。

✓ 3. これが答え(外転型では起こりにくい)
前距腓靱帯損傷
前距腓靱帯は足関節外側にあり、底屈+内がえし強制で損傷する。外転型では外側は引き離されるのではなく圧迫される側になるため、伸張による損傷が生じにくい。
✗ 1. 起こりやすい(答えではない)
三角靱帯損傷
外転により内側が最初に引き離されるため、内側を支える三角靱帯が伸張されて断裂しうる。外転型の代表的な損傷。
✗ 2. 起こりやすい(答えではない)
内果裂離骨折
三角靱帯が骨より強い場合、靱帯は切れずに付着部の内果が引きはがされる。三角靱帯損傷と表裏の関係で、どちらが起こるかは靱帯と骨の強度差による。
✗ 4. 起こりやすい(答えではない)
遠位脛腓靱帯損傷
距骨が外方へ押し込まれることで脛骨と腓骨の間が押し広げられ、これをつなぐ遠位脛腓靱帯が損傷しうる。足関節の不安定性につながる。
ポイント
  • 原理は一つ。引き離される側が傷む
  • 外転型=内側が引き離される → 三角靱帯損傷または内果裂離骨折、遠位脛腓靱帯損傷、腓骨骨折
  • 内転型=外側が引き離される → 前距腓靱帯・踵腓靱帯損傷または外果裂離骨折
  • 前距腓靱帯は底屈+内がえしで最も緊張し、足関節捻挫で最も損傷されやすい
  • 脛腓靱帯より上方で腓骨が折れる型はデュピュイトラン骨折として整理される
比較表
外転型内転型
距骨の動き外方へ内方へ
引き離される側内側外側
靱帯損傷三角靱帯、遠位脛腓靱帯前距腓靱帯、踵腓靱帯
裂離骨折内果外果
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