学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ33P083
理由で解く 柔道整復師
骨盤の裂離骨折は、骨突起(apophysis)の骨端線がまだ閉じていない成長期後半のスポーツ選手に集中する。選択肢では15〜18歳が該当する。
この骨折を理解する鍵は「骨端線は筋腱より弱い」という一点にある。成長期の骨端線(骨突起の成長軟骨)は力学的に脆弱で、腱そのものよりも先に破綻する。そのため、成長期の選手が全力疾走のスタート、キック、ハードル、跳躍などで筋を急激に収縮させると、腱が切れるのではなく、腱が付着する骨突起が骨端線ごと引きはがされる。骨盤周囲では、上前腸骨棘(縫工筋・大腿筋膜張筋)、下前腸骨棘(大腿直筋)、坐骨結節(ハムストリングス)、腸骨稜(腹筋群)、小転子(腸腰筋)が代表的な部位である。これらの骨端核が骨に癒合するのはおおむね20歳前後なので、好発年齢は13〜18歳ころ、選択肢では15〜18歳が最も適合する。骨端線が閉鎖した成人以降は、同じ動作で今度は筋腱移行部が負けて肉ばなれ(自家筋力による筋の損傷)になる。なお肉ばなれは、直達外力(打撲)で筋実質が傷つく筋挫傷とは受傷機序がまったく異なる別の損傷なので、必ず区別して覚える。年齢が変わると同じ機序でも壊れる場所が変わる、という視点で覚えると応用が利く。設問文の表記には乱れがあるが、年齢帯の選択として判断する。
| 裂離骨折 | 肉ばなれ(筋断裂) | 筋挫傷 | |
|---|---|---|---|
| 外力の種類 | 自家筋力(介達) | 自家筋力(介達) | 直達外力(打撲) |
| 破綻する場所 | 骨突起の骨端線 | 筋腱移行部 | 筋実質(打撲部) |
| 好発年齢 | 成長期(13〜18歳ころ) | 骨端線閉鎖後の成人 | 年齢を問わない |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。