学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ32P086

理由で解く 柔道整復師

QJ32P086 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問86
問題
足の舟状骨骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 体部骨折は後脛骨筋の牽引で発生する。
2 第2ケーラー(Kohler)病と鑑別する。
3 回内・回外運動が制限される。
4 外傷性内反足の原因となる。
解答
正解3(回内・回外運動が制限される。)
解説

足の舟状骨は距舟関節をつくり、ショパール関節(横足根関節)の一員として足部の回内・回外に直接関与する。骨折すればこの運動が制限される。

舟状骨は距骨頭と3つの楔状骨の間に位置し、内側縦アーチの頂点を支える要石にあたる。距舟関節は踵立方関節とともにショパール関節を構成し、足部の回内・回外(内がえし・外がえし)の主要な運動軸となるため、体部が折れると疼痛とともにこの運動が制限され、荷重時痛が強く出る。内側の粗面(結節)部には後脛骨筋腱が付着し、ここは筋の牽引による裂離骨折が起こる部位で、体部骨折とは機序が異なる。血行が乏しく遷延治癒・偽関節や圧潰を起こしやすい骨でもあるので、疑ったら荷重を避けた固定を行い、医師の画像診断につなぐ。

✗ 1. 誤り
体部骨折は後脛骨筋の牽引で発生する。
後脛骨筋腱の牽引で起こるのは付着部である粗面(結節)部の裂離骨折。体部骨折は足背への直達外力や、距骨頭と楔状骨の間で圧迫される軸圧などの介達外力によって生じる。
✗ 2. 誤り
第2ケーラー(Kohler)病と鑑別する。
足舟状骨の骨端症(無腐性壊死)は第1ケーラー病である。第2ケーラー病(フライバーグ病)は第2中足骨頭の骨端症で、部位がまったく違う。鑑別の対象になるのは第1ケーラー病のほう。
✓ 3. 正しい
回内・回外運動が制限される。
舟状骨は距舟関節を構成し、ショパール関節での足部の回内・回外に関与する。骨折によりこの関節の動きが妨げられ、疼痛を伴って回内・回外が制限される。
✗ 4. 誤り
外傷性内反足の原因となる。
舟状骨は内側縦アーチの頂点を支えるため、圧潰や変形治癒で生じるのは外傷性の扁平足(外反扁平足)である。アーチが低下する方向に崩れるので内反足にはならない。
ポイント
  • 舟状骨=距舟関節を構成し、ショパール関節での回内・回外に関与する。骨折で回内・回外が制限。
  • 粗面(結節)部=後脛骨筋腱の付着部。ここは牽引による裂離骨折。
  • 体部骨折は直達外力や軸圧などの介達外力による。
  • 第1ケーラー病=足舟状骨の骨端症/第2ケーラー病(フライバーグ病)=第2中足骨頭の骨端症。
  • 内側縦アーチの要なので、圧潰・変形治癒は扁平足変形につながる。血行に乏しく遷延治癒しやすい。
比較表
第1ケーラー病第2ケーラー病(フライバーグ病)
部位足の舟状骨第2中足骨頭
好発幼児〜学童(男児に多い)思春期の女子に多い
症状足背内側の疼痛・跛行前足部(中足骨頭部)の荷重時痛・腫脹
経過比較的予後良好で自然修復しやすい骨頭の扁平化・変形を残すことがある
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