学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ32P085

理由で解く 柔道整復師

QJ32P085 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問85
問題
内果・外果および脛骨遠位関節面後縁を骨折したものはどれか。
選択肢
1 ポット(Pott)骨折
2 チロー(Tillaux)骨折
3 コットン(Cotton)骨折
4 デュピュイトラン(Dupuytren)骨折
解答
正解3(コットン(Cotton)骨折)
解説

足関節果部骨折の人名分類を問う設問。脛骨遠位関節面の後縁は「後果」で、内果・外果に後果を加えた三果骨折がコットン骨折である。

果部骨折は「どこが折れ、どの靱帯が切れ、距骨がどちらへ転位するか」の組合せで呼び分けられる。脛骨遠位関節面の後縁(後果)には後脛腓靱帯が付着し、ここが折れると脛骨天蓋の関節面が欠けるため距骨が後方へ亜脱臼しやすくなる。内果・外果・後果の3か所が折れたコットン骨折は関節面の適合性が大きく損なわれ、荷重関節としての安定性を失うので、転位があれば観血的整復・内固定の適応となる。柔道整復の場で疑ったら、腫脹の増悪と循環障害に注意しながら固定して、速やかに医師の画像診断につなぐ。

✗ 1. 誤り
ポット(Pott)骨折
腓骨下端(外果)の骨折に、内果骨折または三角靱帯断裂を伴い、距骨が外方へ転位する脱臼骨折。足関節の外転(外がえし)強制で生じる。脛骨遠位関節面後縁(後果)は含まれない。
✗ 2. 誤り
チロー(Tillaux)骨折
前脛腓靱帯に引かれて脛骨遠位端の前外側部が裂離する骨折で、骨端線の閉鎖しかけた思春期に多い。前方の限局した裂離骨折であり、三果が折れるものではない。
✓ 3. 正しい
コットン(Cotton)骨折
内果・外果に加えて脛骨遠位関節面後縁(後果)を骨折した三果骨折で、設問の記載そのもの。関節面の欠損と距骨の不安定性を伴うため、転位例では観血療法が原則となる。
✗ 4. 誤り
デュピュイトラン(Dupuytren)骨折
腓骨が外果より近位(下端から上方)で折れ、脛腓靱帯結合が離開し、内果骨折または三角靱帯断裂を伴って距骨が外方に転位するもの。骨折の高さと脛腓間の離開が特徴で、後果は含まれない。
ポイント
  • 後果=脛骨遠位関節面の後縁。後脛腓靱帯が付着する部位。
  • コットン骨折=内果・外果・後果の三果骨折。関節面が欠けるため不安定。
  • ポット骨折=外果骨折+内果骨折または三角靱帯断裂、距骨は外方転位(外転強制)。
  • デュピュイトラン骨折=腓骨がより近位で骨折+脛腓靱帯結合離開+内側の破綻、距骨外方転位。
  • チロー骨折=前脛腓靱帯による脛骨遠位前外側の裂離骨折。思春期に多い。
比較表
名称骨折・損傷部位距骨の転位機序の目安
ポット骨折外果+内果(または三角靱帯断裂)外方外転(外がえし)強制
チロー骨折脛骨遠位前外側の裂離(前脛腓靱帯)なし〜軽度外旋、思春期に好発
コットン骨折内果+外果+後果(三果)後方へ亜脱臼しやすい外旋+軸圧など複合
デュピュイトラン骨折腓骨近位側骨折+脛腓靱帯結合離開+内側破綻外方外転・外旋強制
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