学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ32P084

理由で解く 柔道整復師

QJ32P084 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問84
問題
膝蓋骨骨折で誤っているのはどれか。
選択肢
1 膝蓋支帯断裂の合併は転位高度となる。
2 介達外力で粉砕骨折が発生する。
3 腱膜下骨折は膝伸展可能である。
4 分裂膝蓋骨と鑑別を要する。
解答
正解2(介達外力で粉砕骨折が発生する。)
解説

この設問は「膝蓋骨骨折で誤っているもの」を選ぶ問題。粉砕骨折(星状骨折)が生じるのは膝を直接打つ直達外力の場合で、介達外力では横骨折となる。したがって2が誤りである。

膝蓋骨は大腿四頭筋腱と膝蓋腱の間に挟まれた種子骨で、力の受け方によって折れ方が変わる。転倒して膝を床にぶつけるような直達外力では、外から一点に集中した力が骨を割るため粉砕骨折になりやすく、その分、膝蓋支帯の損傷は軽く、骨片の離開は少ない。逆に、膝屈曲位で大腿四頭筋が急激に収縮する介達外力では、上下に引き裂かれる形で横骨折となり、両側の膝蓋支帯まで断裂していると上方骨片が四頭筋に強く引かれて大きく離開する。診察では膝の自動伸展の可否が重要で、支帯が保たれていれば伸展できることがあるため「伸展できる=骨折なし」と判断しないよう注意する。骨折を疑ったら膝伸展位で固定し、画像評価につなぐ。二分膝蓋骨は骨折と紛らわしいので、辺縁の性状や両側性かどうかを含めて鑑別する。

✓ 2. これが誤り(正解)
介達外力で粉砕骨折が発生する。
介達外力(大腿四頭筋の急激な収縮)で生じるのは横骨折。粉砕骨折(星状骨折)は膝蓋部を直接打撲する直達外力によるもので、外力の種類と骨折型が入れ替わっている。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
膝蓋支帯断裂の合併は転位高度となる。
膝蓋支帯は骨片をつなぎ留める役割を持つため、これが断裂すると上方骨片が大腿四頭筋に引かれて大きく離開する。骨片間の陥凹を触れることもあり、手術適応となることが多い。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
腱膜下骨折は膝伸展可能である。
膝蓋支帯(腱膜)が連続性を保っていれば、大腿四頭筋の力が脛骨まで伝わるため自動伸展が可能なことがある。伸展できることを理由に骨折を否定せず、圧痛や腫脹があれば画像評価を受けられるようにする。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
分裂膝蓋骨と鑑別を要する。
二分(分裂)膝蓋骨は膝蓋骨上外側に多く、辺縁が滑らかで硬化しており両側性のことが多い。骨折線は不整で新鮮な骨折では明瞭な圧痛を伴う。受傷歴と所見を合わせて鑑別する。
ポイント
  • 直達外力=粉砕(星状)骨折。膝蓋支帯の損傷は軽く、骨片の離開は少ない。
  • 介達外力(大腿四頭筋の急激な収縮)=横骨折。支帯断裂を伴うと離開が高度になる。
  • 膝蓋支帯が保たれていれば膝の自動伸展が可能なことがある。伸展できても骨折を否定しない。
  • 二分膝蓋骨との鑑別=上外側、辺縁平滑・硬化、両側性が多い。
  • 疑ったら膝伸展位で固定し、離開の大きいものは手術適応となるため医療機関へつなぐ。
比較表
項目直達外力介達外力
受傷機転膝を打つ・膝から転倒膝屈曲位での大腿四頭筋の急激な収縮
骨折型粉砕(星状)骨折横骨折
膝蓋支帯損傷は軽度断裂を伴いやすい
骨片の離開少ない大きい(支帯断裂時)
自動伸展可能なことがある支帯断裂があれば不能
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