学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §3 総論 説明と同意 / QJ33P068

理由で解く 柔道整復師

QJ33P068 柔道整復理論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問68
問題
患者への説明と同意で正しいのはどれか。
選択肢
1 対話によって行う。
2 観血療法は説明しない。
3 日常生活上の指導はしない。
4 認知機能の低下が著しい高齢者には理解できるまで説明する。
解答
正解1(対話によって行う。)
解説

説明と同意(インフォームド・コンセント)は、書面に署名をもらう手続きではなく、患者と言葉を交わしながら理解を確かめていく対話で成立する。

柔道整復師は、負傷の原因と現在の状態、これから行う整復・固定の内容、治癒までの見込み期間と経過、費用、そして他にどんな治療の選択肢があるかを、患者が自分で判断できる言葉に置き換えて伝える。患者からの問い返しに答え、理解の度合いを確かめながら進めるので、方法は必然的に双方向のやり取りになる。骨折・脱臼のように医師の同意が必要な場面、あるいは観血療法(手術)が選択肢に入りうる場面では、その可能性まで含めて情報を渡し、必要に応じて医師へ紹介する。判断能力が十分でない患者では、本人にわかる範囲で説明する努力を続けつつ、家族や代諾できる立場の人にも説明して同意を得るのが実務上の筋道になる。

✓ 1. 正しい
対話によって行う。
説明と同意は、伝える側からの一方的な通告では成り立たない。患者が疑問を返し、それに答え、理解を確認して初めて「同意」に意味が生まれる。患者の理解度に合わせて言い直せる点でも、対話が基本形になる。
✗ 2. 誤り
観血療法は説明しない。
患者が治療法を選ぶには、保存療法だけでなく観血療法という道があること、それぞれの見込みと限界を知る必要がある。自分の業務範囲外の治療であっても、適応の可能性があるなら情報として伝え、医師の診察につなぐ。
✗ 3. 誤り
日常生活上の指導はしない。
固定中の患肢の扱い、入浴や睡眠時の姿勢、荷重の可否、再受傷につながる動作の回避など、日常生活の過ごし方は治癒経過を大きく左右する。後療法の一部として具体的に指導し、実行できているかを次回来院時に確認する。
✗ 4. 誤り
認知機能の低下が著しい高齢者には理解できるまで説明する。
本人にわかる言葉で説明する努力自体は必要である。ただし判断能力が著しく低下している場合、説明を繰り返すことが有効な同意に結びつくとは限らない。本人への説明と並行して家族や代諾できる立場の人に説明し、同意を得る形をとる。
ポイント
  • 説明と同意は署名の取得ではなく、患者と交わす双方向の対話で成立する
  • 伝える中身は「負傷の状態・施術内容・見込み期間・費用・他の選択肢」
  • 観血療法の可能性も情報として渡し、必要なら医師へ紹介する
  • 日常生活指導は後療法の一部。固定中の過ごし方まで具体的に伝える
  • 判断能力が不十分な患者では、本人への説明に加えて家族・代諾者から同意を得る
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