学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §25 臨床実地問題 / QJ33P067
理由で解く 柔道整復師

重い物を持った直後から示指が屈曲しにくくなった症例です。手指を握り込んだときにDIP関節だけが曲がらない所見から、深指屈筋腱の損傷が考えられます。
手指を曲げる腱は二本立てです。浅指屈筋(FDS)は中節骨に付着してPIP関節を屈曲させ、深指屈筋(FDP)はさらに遠位の末節骨底に付着してDIP関節を屈曲させます。DIP関節を曲げられる腱はFDPだけなので、FDPが断裂すればDIP関節の自動屈曲が単独で失われ、他の指が握り込めるなかでその指の末節だけが伸びたまま残ります。手指屈曲時の写真で確認したいのは、まさにこの「一本だけ末節が伸びている」所見です。重い段ボールを持ち上げる動作は、屈曲している指が強制的に伸展されるのと同じ力の加わり方で、FDPが末節骨付着部から引き抜かれる裂離損傷(いわゆるジャージフィンガー)の典型的な受傷機転にあたります。高齢者では腱の変性が加わって、より軽い負荷でも断裂しうる点も念頭に置きます。屈筋腱の断裂は自然治癒が期待できず、時間が経つほど腱が近位へ退縮して手術が難しくなるため、疑った段階で速やかに手の外科を扱う医療機関へ紹介することが重要です。
| 損傷 | 障害される運動 | 特徴的な所見 |
|---|---|---|
| 深指屈筋腱 | DIP屈曲 | 握り込んでも末節だけ伸びたまま |
| 浅指屈筋腱 | PIP屈曲 | DIP屈曲は残る。単独損傷はまれ |
| 側索・終止腱 | DIP伸展 | 槌指(末節が屈曲位に垂れる) |
| 伸筋腱(中央索) | PIP伸展 | ボタン穴変形 |
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