学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §12 心肺蘇生法(救急法) / QJ33P054

理由で解く 柔道整復師

QJ33P054 外科学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問54
問題
心肺蘇生で誤っているのはどれか。
選択肢
1 意識、呼吸、循環の順で評価する。
2 胸骨圧迫部位は左右の乳頭を結ぶ線の真ん中である。
3 胸骨圧迫は1分間に100回以上のテンポで行う。
4 除細動後は1分間蘇生を休止する。
解答
正解4(除細動後は1分間蘇生を休止する。)
解説

除細動を行った直後は、脈の確認を挟まずにただちに胸骨圧迫を再開します。1分間蘇生を休止するという手順はありません。

心停止の転帰を左右するのは、冠動脈と脳へどれだけ血液を送れたかです。胸骨圧迫を中断すると冠灌流圧は数秒でほぼゼロまで低下し、再開しても元の水準に戻るまでに何回もの圧迫が必要になります。さらに、電気ショックの直後は心筋が気絶した状態にあり、たとえ心電図上のリズムが戻っても有効な拍出はすぐには得られません。だから脈の確認に時間を使うより、圧迫を続けるほうが有利です。除細動後はただちに胸骨圧迫を再開し、2分間のCPRを行ってからリズムを再評価する、という流れが標準です。

✓ 4. これが誤り(答え)
除細動後は1分間蘇生を休止する。
正しくは、ショック後ただちに胸骨圧迫を再開します。以後は2分ごとにリズムを確認し、その節目で圧迫の担当者を交代して質の低下を防ぎます。中断は10秒以内にとどめることが原則です。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
意識、呼吸、循環の順で評価する。
まず反応(意識)の有無を確認し、なければ大声で応援を呼んで救急要請とAEDの手配をします。続いて呼吸と脈拍を10秒以内で確認し、正常な呼吸がなければただちに胸骨圧迫を開始します。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
胸骨圧迫部位は左右の乳頭を結ぶ線の真ん中である。
圧迫すべきは胸骨の下半分で、両乳頭を結ぶ線の中央がその目安になります。位置が下すぎて剣状突起にかかると肝損傷を、外側にずれると肋骨骨折を起こしやすくなるため、目印を意識して手を置きます。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
胸骨圧迫は1分間に100回以上のテンポで行う。
速さは100〜120回/分が推奨されます。深さは成人で約5cm(6cmを超えない)、1回ごとに圧迫を完全に解除して胸を元の位置まで戻すことが、心臓への血液の充満を確保するうえで重要です。
ポイント
  • 除細動後は脈拍確認を挟まず、ただちに胸骨圧迫を再開する。
  • リズム確認は2分ごと。その節目で圧迫担当者を交代して質を保つ。
  • 胸骨圧迫の中断は10秒以内。中断すると冠灌流圧がすぐに落ちる。
  • 圧迫部位は胸骨の下半分(両乳頭線の中央が目安)、速さ100〜120回/分、深さ約5cm。
  • 評価の順は反応(意識)→応援要請・AED手配→呼吸・脈拍の確認。
比較表
項目成人の基準
圧迫部位胸骨の下半分(両乳頭線の中央が目安)
速さ100〜120回/分
深さ約5cm(6cmを超えない)
圧迫の解除毎回完全に胸を元へ戻す
中断時間10秒以内
除細動後ただちに圧迫再開、2分後にリズム再評価
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