学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §6 失血と輸血・輸液 / QJ33P049

理由で解く 柔道整復師

QJ33P049 外科学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問49
問題
輸血で誤っているのはどれか。
選択肢
1 交差適合試験では血液と輸血製剤間の抗原抗体反応を調べる。
2 循環血液量の3分の1以上を失うと生命の危険がある。
3 不適合輸血では発熱、呼吸困難がみられる。
4 献血の1回採血量は 500mLである。
解答
正解4(献血の1回採血量は 500mLである。)
解説

日本の全血献血は1回200mLまたは400mLの2種類で、500mLという規格はありません。

献血できる量は、健康な人の循環血液量(およそ体重の1/13、体重50kgなら約4L)から逆算して決められています。一度に採る量が多いほど献血者側の循環動態に影響するため、400mL献血には体重50kg以上(男性は17歳以上、女性は18歳以上)といった基準が設けられ、次の献血までの間隔も定められています。血小板や血漿だけを採って赤血球を戻す成分献血は、体への負担の考え方が全血とは異なり、採血基準も別に定められています。輸血の問題では、この供給側(献血)のルールと、受血側(交差適合試験・副作用)の知識をセットで押さえておくと得点しやすくなります。

✓ 4. これが誤り(答え)
献血の1回採血量は 500mLである。
全血献血は200mLと400mLの2通りで、500mLという設定はありません。数字を覚えるときは「体重50kg以上で400mL」と条件をセットにしておくと、単独の数字より記憶に残ります。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
交差適合試験では血液と輸血製剤間の抗原抗体反応を調べる。
交差適合試験(クロスマッチ)は、患者の血液と輸血用血液を実際に混ぜて凝集や溶血が起きないかを確認する検査です。主試験は患者血清+供血者赤血球(患者の抗体が製剤の赤血球を攻撃しないか)、副試験は患者赤血球+供血者血漿の組み合わせで調べます。ABO・Rh型の判定だけでは検出できない不規則抗体を拾えるのが利点です。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
循環血液量の3分の1以上を失うと生命の危険がある。
成人の循環血液量は約5Lで、その1/3はおよそ1.5Lです。出血量が循環血液量の30%を超えると心拍数増加や血管収縮による代償が追いつかなくなり、収縮期血圧の低下、意識レベルの低下が現れて生命の危険が生じます。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
不適合輸血では発熱、呼吸困難がみられる。
ABO不適合輸血では、受血者がもともと持つ抗A・抗B抗体が輸血された赤血球に結合して補体を活性化し、血管内溶血を起こします。悪寒戦慄・発熱・胸部圧迫感・呼吸困難・腰背部痛・血色素尿が現れ、進行すればDICや急性腎障害に至ります。輸血開始直後に異変があれば、ただちに輸血を中止し、静脈路は生理食塩水に切り替えて確保したまま、バイタルサインと尿の色を確認して速やかに報告するのが基本の動きです。
ポイント
  • 全血献血は1回200mLまたは400mL。500mLという規格はない。
  • 400mL献血は体重50kg以上、男性17歳以上・女性18歳以上が目安。
  • 交差適合試験=患者血液と輸血用血液を混ぜて抗原抗体反応の有無を確認(主試験・副試験)。
  • 循環血液量の約1/3(成人で約1.5L)を超える出血は生命の危険。
  • ABO不適合輸血は血管内溶血。悪寒戦慄・発熱・呼吸困難・腰背部痛・血色素尿。異変時はまず輸血中止。
比較表
種類1回採血量主な目的
全血献血(200mL)200mL赤血球製剤・血漿製剤の原料
全血献血(400mL)400mL同上(体重50kg以上が条件)
成分献血(血小板・血漿)成分ごとに採取し赤血球は返血血小板製剤・血漿製剤の原料
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