学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §6 失血と輸血・輸液 / QJ32P050
理由で解く 柔道整復師
不適合輸血の早期症状は、補体活性化とサイトカイン放出による発熱・悪寒、ヒスタミン遊離による皮膚症状、平滑筋収縮による消化器症状が中心です。けいれんは早期ではなく、ショックやDICへ進行した段階で現れうる症状なので、これが答えになります。
ABO不適合輸血では、受血者の血漿中にもとから存在する抗A・抗B抗体(自然抗体、IgM)が輸血された赤血球に結合し、補体を最後まで活性化して血管内溶血を起こします。このとき生じる補体分解産物(アナフィラトキシン C3a・C5a)と炎症性サイトカインが、体温調節中枢を刺激して発熱・悪寒戦慄を、血管を拡張させて血圧低下を、消化管平滑筋を収縮させて悪心・嘔吐を招きます。ヒスタミンが加われば発疹・蕁麻疹・掻痒感が出ます。腰背部痛は消化器症状と同じ機序ではなく、血管内溶血で生じた遊離ヘモグロビンが腎血管の攣縮・腎虚血を引き起こすことを反映する症状として現れます。胸部絞扼感は気管支平滑筋の収縮と血圧低下に伴うものです。これらは輸血開始後わずか数分〜十数分でそろうため「早期症状」と呼ばれます。一方けいれんは、ショックによる脳灌流低下やDIC・急性腎不全といった重篤化した局面で問題になる中枢神経症状で、時間軸がひとつ後ろにずれます。症状に気づいたらただちに輸血を中止し、点滴ラインは生理食塩液に切り替えて確保したまま医師へ報告し、バイタルサインと尿の色(ヘモグロビン尿の有無)を確認します。
| 時期 | 主な症状 | 背景にある変化 |
|---|---|---|
| 早期(輸血開始後 数分〜十数分) | 発熱・悪寒戦慄、発疹・掻痒、悪心・嘔吐、血圧低下、頻脈、呼吸困難、胸部絞扼感 | 補体活性化とサイトカイン・ヒスタミン遊離、平滑筋収縮 |
| 早期(同時期) | 腰背部痛、ヘモグロビン尿 | 血管内溶血による遊離ヘモグロビン。腎血管の攣縮・腎虚血 |
| 進行期(数時間〜) | けいれん、意識障害、乏尿・無尿、出血傾向 | ショックによる脳灌流低下、急性腎不全、DIC |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。