学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §4 腫瘍 / QJ32P049

理由で解く 柔道整復師

QJ32P049 外科学概論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問49
問題
腫瘍に対する非侵襲的な検査はどれか。
選択肢
1 CT (コンピューター断層撮影検査)
2 超音波検査
3 シンチグラフィ
4 PET (陽電子放射断層撮影検査)
解答
正解2(超音波検査)
解説

挙げられた4つのうち、放射線被曝も薬剤投与も伴わないのは超音波検査です。これが非侵襲的検査に当たります。

侵襲とは生体に加わる負担のことで、切開や穿刺だけでなく、電離放射線による被曝や造影剤・放射性医薬品の投与も含めて考えます。超音波検査は体表にプローブを当てて反射してくる音波を画像化するだけなので、被曝がなく注射も不要で、痛みもほとんどありません。ベッドサイドで繰り返し行え、妊婦や小児にも使いやすいという利点があります。腫瘤に対しては大きさ・境界の明瞭さ・内部エコーの均一性・後方エコーの変化・血流の有無を評価し、良性か悪性かの推定や経過観察に用います。一方でCT・シンチグラフィ・PETはいずれもX線やガンマ線などの電離放射線を利用し、後二者では放射性医薬品を静脈内に投与する必要があります。

✗ 1. 当てはまらない
CT (コンピューター断層撮影検査)
X線を用いるため被曝を伴い、造影CTではヨード造影剤の静脈内投与も必要です。切開こそしませんが、被曝と薬剤投与という負担がある以上、非侵襲的とは言えません。短時間で全身を高分解能に評価できる点が強みで、外傷や腫瘍の広がりの評価に多用されます。
✓ 2. これが正答
超音波検査
電離放射線を使わず、薬剤の投与も不要で、体表からプローブを当てるだけで画像が得られます。繰り返し実施でき妊婦や小児にも用いやすいことから、非侵襲的検査の代表として扱われます。腫瘤では大きさ・境界・内部の性状や血流を評価し、穿刺吸引細胞診のガイドにも使えます。
✗ 3. 当てはまらない
シンチグラフィ
放射性医薬品を投与し、特定の臓器や病変への集積をガンマカメラで撮像する検査です。注射と被曝を伴うため非侵襲的とは言えません。骨シンチグラフィは骨転移の全身検索に有用で、代謝が亢進した部位に集積が高まります。
✗ 4. 当てはまらない
PET (陽電子放射断層撮影検査)
FDG(ブドウ糖類似の放射性薬剤)などを静注し、糖代謝の亢進した細胞への集積を画像化します。放射性薬剤の投与と被曝を伴うため非侵襲的ではありません。悪性腫瘍の検出や病期診断、再発の評価に用いられます。
ポイント
  • 「非侵襲的」は切らない・刺さないだけでなく、被曝と薬剤投与がないこと。
  • 超音波検査=被曝なし・注射なし・繰り返し可・ベッドサイド可。妊婦や小児にも使える。
  • CTはX線被曝、造影CTでは造影剤の静注が加わる。
  • シンチグラフィとPETは放射性医薬品の投与が前提で、被曝も伴う。
  • 超音波は骨や消化管ガスの奥が見えにくい。深部や全身評価はCT・PETが得意と、役割で分ける。
比較表
検査電離放射線薬剤の投与侵襲度
超音波検査なし不要非侵襲的
CTあり(X線)造影時は造影剤を静注低侵襲だが非侵襲ではない
シンチグラフィあり(ガンマ線)放射性医薬品を投与侵襲を伴う
PETありFDGなどを静注侵襲を伴う
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