学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §4 腫瘍 / QJ34P048

理由で解く 柔道整復師

QJ34P048 外科学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問48
問題
腫瘍の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 扁平上皮癌-皮膚癌
2 未分化癌悪性度が高い
3 卵巣転移シュニッツラー(Schnitzler) 転移
4 機能性腫瘍褐色細胞腫
解答
正解3(卵巣転移シュニッツラー(Schnitzler) 転移)
解説

設問は「誤っている組合せ」を選ぶ問題。卵巣への転移はクルーケンベルグ腫瘍であり、シュニッツラー転移はダグラス窩への腹膜播種を指すので、3の組合せが誤りで正解となる。

胃癌の代表的な遠隔転移には人名がついており、部位とセットで覚えるのが早い。ウィルヒョウ転移は左鎖骨上窩リンパ節へのリンパ行性転移、クルーケンベルグ腫瘍は両側卵巣への転移で若い女性でも起こりうる、シュニッツラー転移はダグラス窩への腹膜播種で、直腸診で硬い棚状の腫瘤として触れることがある。ここで用語を整理しておくと、ダグラス窩とは女性の直腸子宮窩のことである。男性にはダグラス窩という腔はなく、これに相当する骨盤最深部は直腸膀胱窩で、そこへ癌細胞が播種した場合も同様にシュニッツラー転移と呼ぶ。シュニッツラーは骨盤の一番低いところに癌細胞が落ちて溜まる播種、と位置でイメージすると卵巣転移と混同しにくい。

✓ 3. これが誤った組合せ(正解)
卵巣転移シュニッツラー(Schnitzler) 転移
卵巣への転移はクルーケンベルグ腫瘍と呼ぶ。シュニッツラー転移はダグラス窩(男性では相当部位の直腸膀胱窩)に癌細胞が播種したもので、部位が異なる。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
扁平上皮癌-皮膚癌
表皮は重層扁平上皮なので、そこから発生する皮膚癌(有棘細胞癌)は扁平上皮癌である。食道・子宮頸部・肺門部にも生じる。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
未分化癌悪性度が高い
未分化癌は元の組織の形をとどめないほど分化度が低く、増殖が速く浸潤・転移しやすいため悪性度が高い。甲状腺未分化癌が代表例。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
機能性腫瘍褐色細胞腫
機能性腫瘍とはホルモンを産生して症状を出す腫瘍のこと。褐色細胞腫は副腎髄質などでカテコールアミンを産生し、発作性高血圧・頭痛・動悸・発汗をきたす。
ポイント
  • この問題は「誤っている組合せ」を探す形式。正しい組合せを消していき、残った一つを選ぶ。
  • 胃癌の三大転移名:ウィルヒョウ=左鎖骨上窩リンパ節、クルーケンベルグ=両側卵巣、シュニッツラー=ダグラス窩の腹膜播種。
  • ダグラス窩=女性の直腸子宮窩。男性でこれに相当する骨盤最深部は直腸膀胱窩で、そこへの播種も同じくシュニッツラー転移という。
  • 分化度が低い(未分化)ほど増殖が速く悪性度が高い。分化度は悪性度の指標。
  • 扁平上皮癌は重層扁平上皮のある場所(皮膚・食道・子宮頸部)に、腺癌は腺組織(胃・大腸・肺末梢)に生じる。
  • 機能性腫瘍=ホルモン産生腫瘍。褐色細胞腫(カテコールアミン)、インスリノーマ(インスリン)などが代表。
比較表
名称転移部位経路気づきかた
ウィルヒョウ転移左鎖骨上窩リンパ節リンパ行性左鎖骨上の硬いリンパ節を触知
クルーケンベルグ腫瘍両側卵巣播種・リンパ行性・血行性腹部膨満、卵巣腫瘤として発見
シュニッツラー転移ダグラス窩=直腸子宮窩(男性は相当部位の直腸膀胱窩)腹膜播種直腸診で硬い棚状の腫瘤
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