学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §17 主要な疾患 膠原病 / QJ33P039

理由で解く 柔道整復師

QJ33P039 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問39
問題
関節リウマチで正しいのはどれか。
選択肢
1 腰痛をきたす。
2 骨棘形成がみられる。
3 遠位指節間関節に好発する。
4 朝方に関節のこわばりが強い。
解答
正解4(朝方に関節のこわばりが強い。)
解説

関節リウマチは滑膜の慢性炎症から始まる全身性の自己免疫疾患で、1時間以上続く朝のこわばりが代表的な症状です。正答は4です。

関節リウマチでは滑膜に慢性の炎症が起こり、増殖した滑膜組織(パンヌス)が関節軟骨と骨を内側から破壊していきます。侵されるのは手指の近位指節間関節・中手指節関節、手関節、足の中足趾節関節などで、左右対称性・多関節性に進行するのが特徴です。X線では骨びらん(erosion)、関節裂隙の狭小化、傍関節性の骨萎縮がみられ、進行するとスワンネック変形・ボタン穴変形・尺側偏位といった特有の変形を生じます。血液検査ではリウマトイド因子や抗CCP抗体の陽性、CRP・赤沈の上昇が手がかりになります。関節以外にも皮下結節、間質性肺炎、貧血などの全身症状を伴い、中年女性に好発します。

✗ 1. 誤り
腰痛をきたす。
関節リウマチが侵すのは滑膜をもつ関節であり、胸腰椎は原則として侵されにくく、腰痛が主症状になることはありません。ただし脊椎のなかでも頸椎、とくに環軸関節は侵されて環軸椎亜脱臼を起こすことがあるため、後頸部痛や手足のしびれには注意が必要です。腰痛が前面に出る場合は変形性腰椎症など別の病態を考えます。
✗ 2. 誤り
骨棘形成がみられる。
骨棘は、関節軟骨がすり減った部位で骨が反応性に増殖してできるもので、変形性関節症の代表的な所見です。関節リウマチは骨をつくる方向ではなく壊す方向に働くため、X線では骨びらん・関節裂隙の狭小化・傍関節性骨萎縮が特徴となります。
✗ 3. 誤り
遠位指節間関節に好発する。
遠位指節間(DIP)関節が侵されるのは、変形性関節症(ヘバーデン結節)や乾癬性関節炎の特徴です。関節リウマチは近位指節間(PIP)関節・中手指節(MP)関節・手関節に好発し、DIP関節は比較的侵されにくいとされます。どの関節が腫れているかは両者を分ける重要な所見です。
✓ 4. 正しい
朝方に関節のこわばりが強い。
睡眠中に身体を動かさないあいだ、炎症でできた滲出液や浮腫が関節周囲にたまるため、起床時に関節が動かしにくくなります。関節リウマチではこのこわばりが1時間以上続くことが多く、体を動かしているうちに徐々に軽快します。変形性関節症でも起床時のこわばりはありますが、通常は数分から30分以内で消えるため、持続時間を尋ねることが鑑別の第一歩になります。
ポイント
  • 病態の主役は滑膜炎。増殖したパンヌスが軟骨・骨を破壊する自己免疫疾患で、中年女性に好発する。
  • 好発部位はPIP関節・MP関節・手関節・足MTP関節で、左右対称・多関節性。DIP関節と腰椎は侵されにくい。
  • 朝のこわばりは1時間以上続くのが典型。変形性関節症では短時間で消える。
  • X線所見は骨びらん・関節裂隙狭小化・傍関節性骨萎縮。骨棘は変形性関節症の所見。
  • 頸椎の環軸椎亜脱臼に注意する。頸部への急激な操作は避け、後頸部痛や四肢のしびれがあれば医師の評価を優先する。
比較表
項目関節リウマチ変形性関節症
本態滑膜の慢性炎症(自己免疫)関節軟骨の変性・摩耗(非炎症性が主体)
手の好発関節PIP・MP関節、手関節DIP関節(ヘバーデン結節)、母指CM関節
左右差左右対称性・多関節性非対称・荷重関節に偏る
朝のこわばり1時間以上続く数分〜30分以内で消える
X線所見骨びらん、関節裂隙狭小化、骨萎縮骨棘形成、軟骨下骨硬化、関節裂隙狭小化
全身症状微熱・倦怠感・貧血・皮下結節など原則なし
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