学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §16 主要な疾患 内分泌・代謝疾患 / QJ33P033

理由で解く 柔道整復師

QJ33P033 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問33
問題
肥満を呈するのはどれか。
選択肢
1 アジソン(Addison) 病
2 褐色細胞腫
3 クッシング(Cushing) 症候群
4 先端巨大症
解答
正解3(クッシング(Cushing) 症候群)
解説

副腎皮質からコルチゾールが過剰に分泌されるクッシング症候群では、中心性肥満をはじめとする特徴的な体型変化が現れる。

コルチゾールは脂肪の「分布」を変えるホルモンである。四肢の皮下脂肪は分解される一方、体幹・顔面・頸背部には脂肪が蓄積するため、手足は細いのに体幹が太い中心性肥満、満月様顔貌(ムーンフェイス)、水牛様脂肪沈着(バッファローハンプ)という組合せになる。さらに蛋白異化により皮膚が薄くなって赤紫色の皮膚線条や皮下出血をきたし、近位筋の筋力低下も加わる。高血糖・高血圧・骨粗鬆症も合併しやすい。内分泌の問題は「そのホルモンの作用を思い出して逆算する」のが最短ルートになる。

✗ 1. 誤り
アジソン(Addison) 病
慢性副腎皮質機能低下症で、コルチゾール・アルドステロンが不足する。食欲低下・体重減少・全身倦怠感・低血圧が主体で、ACTH上昇に伴う皮膚・粘膜の色素沈着が特徴。肥満はきたさない。
✗ 2. 誤り
褐色細胞腫
カテコールアミンが過剰に分泌され代謝が亢進するため、発作性高血圧・頭痛・動悸・発汗過多とともに体重はむしろ減少する。
✓ 3. 正しい
クッシング(Cushing) 症候群
コルチゾール過剰により中心性肥満・満月様顔貌・水牛様脂肪沈着を呈する。赤色皮膚線条、易出血性、近位筋の筋力低下、骨粗鬆症を伴い、骨脆弱性があるため施術では強い外力を避け、医師と連携する。
✗ 4. 誤り
先端巨大症
成長ホルモン過剰により手足の末端や下顎・鼻・口唇が肥大するが、GHは脂肪分解を促すため、脂肪蓄積による肥満は特徴ではない。体格が大きくなることと肥満は区別する。
ポイント
  • コルチゾール過剰=中心性肥満・満月様顔貌・水牛様脂肪沈着・赤色皮膚線条。
  • アジソン病(副腎皮質機能低下)は体重減少・色素沈着・低血圧。クッシングと正反対。
  • 褐色細胞腫は代謝亢進で体重減少。発作性高血圧・頭痛・発汗が三徴。
  • 先端巨大症は末端の肥大であって脂肪蓄積型の肥満ではない。
  • クッシング症候群は骨粗鬆症・皮膚脆弱を伴うため、施術は愛護的に行い医師と連携する。
比較表
疾患ホルモンの異常体重・体型
クッシング症候群コルチゾール過剰中心性肥満、満月様顔貌、水牛様脂肪沈着
アジソン病副腎皮質ホルモン不足体重減少、色素沈着、低血圧
褐色細胞腫カテコールアミン過剰体重減少、発作性高血圧・頭痛・発汗
先端巨大症成長ホルモン過剰末端の肥大。脂肪蓄積型の肥満ではない
甲状腺機能亢進症甲状腺ホルモン過剰食欲があるのに体重減少
甲状腺機能低下症甲状腺ホルモン不足体重増加、粘液水腫
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