学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §16 主要な疾患 内分泌・代謝疾患 / QJ33P038

理由で解く 柔道整復師

QJ33P038 一般臨床医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問38
問題
2型糖尿病の治療で合併症予防のためのHbA1cの目標値はどれか。
選択肢
1 6.0%未満
2 6.5%未満
3 7.0%未満
4 8.0%未満
解答
正解3(7.0%未満)
解説

日本糖尿病学会の血糖コントロール目標は3段階に分かれており、そのうち「合併症予防のための目標」はHbA1c 7.0%未満です。正答は3です。

HbA1cはヘモグロビンにブドウ糖が結合した割合を示す値で、赤血球の寿命を反映して過去1〜2か月の平均血糖の状態を表します。日本糖尿病学会は、①血糖正常化を目指す際の目標6.0%未満、②合併症予防のための目標7.0%未満、③治療強化が困難な際の目標8.0%未満、という3つの目標を示しています。中心となる7.0%未満は、網膜症・腎症・神経障害といった細小血管合併症の発症と進展を抑えられる水準として設定されており、対応する血糖値の目安は空腹時130mg/dL未満、食後2時間180mg/dL未満です。ただしこれは一律に当てはめる基準ではなく、年齢・罹病期間・臓器障害・低血糖の危険性・支援体制を考慮して個別に定めます。高齢者では低血糖を避けることが重視され、カテゴリー別に下限値も含めた別の目標が示されています。

✗ 1. 誤り
6.0%未満
これは「血糖正常化を目指す際の目標」にあたる、最も厳しい目標値です。食事療法・運動療法だけで達成できる場合や、薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成できる場合に設定されます。合併症予防のための目標とは別の区分です。
✗ 2. 誤り
6.5%未満
HbA1c 6.5%以上(NGSP値)は「糖尿病型」と判定する診断基準の数値であり、治療目標として示されたものではありません。診断の閾値と治療の目標値は別物なので、混同しないように区別して覚えます。
✓ 3. 正しい
7.0%未満
合併症予防のための目標として日本糖尿病学会が定める値です。網膜症・腎症・神経障害などの細小血管合併症の発症・進展を抑える水準で、対応する血糖値は空腹時130mg/dL未満、食後2時間180mg/dL未満とされます。日常臨床で最も広く用いられる目標であり、まずこの数値を基準として押さえます。
✗ 4. 誤り
8.0%未満
これは「治療強化が困難な際の目標」です。低血糖の危険が高い、重い併存疾患がある、認知機能や日常生活動作が低下しているなど、厳格な血糖管理がかえって不利益になる場合に設定される緩やかな目標にあたります。
ポイント
  • 3段階の目標を並べて覚える:6.0%未満=血糖正常化を目指す際/7.0%未満=合併症予防/8.0%未満=治療強化が困難な際。
  • 中心は7.0%未満。対応する血糖値は空腹時130mg/dL未満、食後2時間180mg/dL未満。
  • HbA1c 6.5%以上(NGSP値)は「診断(糖尿病型)」の基準値。治療目標の7.0%未満と混同しない。
  • HbA1cは過去1〜2か月の平均血糖を反映する。溶血・出血・輸血・鉄欠乏の回復期などでは実際の血糖状態とずれることがある。
  • 目標値は年齢・罹病期間・低血糖リスク・併存疾患をふまえて個別に設定する。高齢者には下限を含む別の目標が定められている。
比較表
区分HbA1cどんなときに用いるか
血糖正常化を目指す際の目標6.0%未満食事・運動療法のみ、または低血糖なく達成できる場合
合併症予防のための目標7.0%未満標準的な治療目標。細小血管合併症の発症・進展を抑える
治療強化が困難な際の目標8.0%未満低血糖リスクが高い、重い併存疾患、ADL・認知機能低下など
(参考)診断基準6.5%以上で糖尿病型治療目標ではなく診断のための閾値
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