学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ33P021
理由で解く 柔道整復師
麻痺も失調もなく、何をすべきかも分かっているのに目的の行為が遂行できない状態を失行という。設問文はこの定義をほぼそのまま述べている。
失行の診断は除外から始まる。まず運動麻痺、感覚障害、失調、不随意運動といった要素的な障害がないことを確認し、次に指示や課題そのものを理解できていることを確かめる。それらが揃ったうえでなお目的行為ができない場合に失行と判断する。背景にあるのは、行為の運動プログラムを組み立てて呼び出す過程の破綻であり、責任病巣は左頭頂葉を中心とする領域とされる。左半球の損傷であっても症状は両手に現れうる点が特徴である。臨床では、身振りや模倣ができない観念運動失行、道具の使用や一連の手順が乱れる観念失行、衣服を正しく着られない着衣失行、図形の模写や組み立てが崩れる構成失行などの型が知られている。日常場面では「歯ブラシを渡されたのに使い方の身振りが出ない」「櫛で歯を磨こうとする」といった形で気づかれることが多い。
| 症状 | 障害されている働き | 典型的な現れ方 | 主な責任部位 |
|---|---|---|---|
| 失行 | 目的行為の組み立てと実行 | 道具の使い方の身振りが出ない、櫛で歯を磨こうとする | 左頭頂葉が中心 |
| 失認 | 入力情報の認識 | 見えているのに何か(誰か)分からない(視覚失認・相貌失認) | 後頭葉・頭頂葉 |
| 注意障害 | 注意の選択・持続・配分 | 気が散る、注意が持続しない、二重課題が困難 | 前頭葉・脳幹網様体賦活系など |
| 遂行機能障害 | 計画・実行・自己修正 | 段取りが組めず最後までやり遂げられない | 前頭葉 |
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