学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ33P016

理由で解く 柔道整復師

QJ33P016 リハビリテーション医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問16
問題
手続き記憶にあたるのはどれか。
選択肢
1 キーボードを操作する。
2 締め切りは来月10日である。
3 役場に行って申し込みをした。
4 発行されたワンタイムパスワードは5077である。
解答
正解1(キーボードを操作する。)
解説

手続き記憶は、体で覚えた技能や習慣にあたる非陳述記憶である。言葉で手順を説明しにくく、反復によって身につくものを選べばよい。

記憶はまず「言葉で内容を説明できるか」で二分する。説明できるものが陳述記憶で、出来事の記憶であるエピソード記憶と、知識や言葉の意味である意味記憶に分かれ、いずれも海馬を中心とする回路が関わる。説明できないものが非陳述記憶で、その代表が手続き記憶である。自転車の乗り方や楽器の演奏のように、大脳基底核や小脳が担い、繰り返すうちに自動化され、いったん身につくと忘れにくい。海馬が広く損なわれて新しい出来事を覚えられなくなった人でも、練習した技能は上達していくことが知られており、この二重解離が両者の系統の違いを示している。時間軸で分ける即時記憶・近時記憶・遠隔記憶や、これからすることを覚えておく展望記憶とは別の切り口である点にも注意したい。

✓ 1. 正しい
キーボードを操作する。
反復練習で身につく運動技能であり、指の動かし方を言葉で説明することは難しい。大脳基底核や小脳が担う手続き記憶の典型で、自転車の運転、箸の使い方、楽器の演奏と同じ仲間に入る。記憶障害が強い人でも残りやすいため、訓練では動作を実際に繰り返して覚える方法が生きる。
✗ 2. 誤り
締め切りは来月10日である。
これから行う予定を覚えておく展望記憶にあたる。日常生活で最も破綻が目立ちやすい記憶で、支援ではメモ帳、カレンダー、アラームといった外的な手がかりを生活の流れに組み込む方法をとる。
✗ 3. 誤り
役場に行って申し込みをした。
いつ・どこで・何をしたという自分自身の体験の記憶であり、陳述記憶のうちのエピソード記憶である。海馬を中心とする回路が担い、健忘症で最初に障害されやすい。
✗ 4. 誤り
発行されたワンタイムパスワードは5077である。
その場で数十秒だけ保持する即時記憶(作業記憶)にあたる。数唱で調べられる範囲の働きで、長期に貯蔵される記憶とは別の系統である。
ポイント
  • 記憶は「言葉で説明できるか」で二分する。できる=陳述記憶、できない=非陳述記憶。
  • 手続き記憶は非陳述記憶の代表。大脳基底核・小脳が担い、反復で身につき忘れにくい。
  • 陳述記憶はエピソード記憶(出来事)と意味記憶(知識・言葉の意味)に分かれ、海馬が中心。
  • 展望記憶=これからすることの記憶。即時記憶=今この場で保持する記憶。切り口が別である。
  • 健忘が強くても手続き記憶は残りやすいので、動作を実地で繰り返して習得する訓練が有効。
比較表
選択肢の内容記憶の種類主に関わる部位特徴
キーボードを操作する手続き記憶(非陳述記憶)大脳基底核・小脳言葉にしにくい/反復で自動化/忘れにくい
役場に行って申し込みをしたエピソード記憶(陳述記憶)海馬・側頭葉内側いつ・どこで・何をしたが伴う
締め切りは来月10日である展望記憶前頭葉・海馬これからすることを思い出す働き
ワンタイムパスワードは5077即時記憶(作業記憶)前頭前野数十秒の保持。数唱で評価
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