学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §6 リハビリテーション医学と関連職種 / QJ33P017

理由で解く 柔道整復師

QJ33P017 リハビリテーション医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問17
問題
高次脳機能障害に対するリハビリテーションを行う職種はどれか。2 つ選べ。
選択肢
1 介護福祉士
2 作業療法士
3 社会福祉士
4 臨床心理士
解答
正解2(作業療法士)、4(臨床心理士)
解説

高次脳機能障害のリハビリテーションで訓練を直接担うのは、作業療法士と心理職である。選択肢のなかでは作業療法士と臨床心理士の2つが該当する。

高次脳機能障害への支援は多職種のチームで行われるが、職種ごとに担当する場面が異なる。認知機能そのものへの働きかけと、それを生活動作や仕事に結びつける訓練は作業療法士が中心に担い、失語や記憶の訓練は言語聴覚士が受け持つ。心理職は神経心理学的検査で障害の輪郭を数値として描き出し、その結果をもとに認知リハビリテーションを組み立て、本人や家族の心理的支援にもあたる。一方、社会福祉士は制度や社会資源をつなぐ相談援助、介護福祉士は日常生活の介護という位置づけで、いずれもチームに欠かせないが訓練の実施者ではない。「誰が訓練を組み立てて実施するか」という視点で読むと整理しやすい。

✓ 2. 正しい
作業療法士
理学療法士及び作業療法士法第2条第2項において、作業療法とは身体または精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図るため、手芸・工作その他の作業を行わせることと定義されており、注意・記憶・遂行機能への直接的な訓練から、調理や金銭管理などの手段的日常生活活動(IADL)訓練、職業前訓練までを担う。高次脳機能障害の訓練の中心となる職種である。
✓ 4. 正しい
臨床心理士
神経心理学的検査によって記憶・注意・遂行機能などの障害像を評価し、その結果に基づいて認知リハビリテーションを立案・実施する。障害への気づきが乏しい状態への働きかけや、本人・家族の心理的支援も担う。なお現在は国家資格である公認心理師が同様の役割を担っている。
✗ 1. 誤り
介護福祉士
食事・入浴・排泄など日常生活の介護と、その方法についての助言を担う職種である。高次脳機能障害の支援では、訓練で身につけた手順を実際の生活の中で続けられるよう支える立場に立つ。訓練プログラムの立案・実施は担当外となる。
✗ 3. 誤り
社会福祉士
障害者手帳や自立支援医療、障害福祉サービス、復職・就労支援といった制度と社会資源をつなぐ相談援助の専門職である。訓練そのものではなく、訓練の成果が生活で生かされるよう環境を整える役割を受け持つ。
ポイント
  • 高次脳機能障害のリハビリテーションはチーム医療。訓練の実施は作業療法士・言語聴覚士・心理職が中心となる。
  • 作業療法士=応用的動作能力と社会的適応能力の回復。認知訓練からIADL訓練、職業前訓練まで担う。
  • 心理職=神経心理学的検査による評価、認知リハビリテーションの立案、本人・家族への心理的支援。
  • 社会福祉士=制度や社会資源の調整。介護福祉士=日常生活の介護。どちらも生活を支える要だが担当が異なる。
  • 言語聴覚士は失語・記憶などの訓練を担う。この設問では選択肢にないが、実際のチームでは主要な担い手である。
比較表
職種資格の種別高次脳機能障害での主な役割訓練の実施
作業療法士国家資格認知機能訓練、ADL・IADL訓練、職業前訓練担う
臨床心理士(現在は公認心理師)臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格神経心理学的検査、認知リハビリテーション、心理的支援担う
言語聴覚士国家資格失語・記憶・注意などの訓練、摂食嚥下担う(本設問の選択肢にはない)
社会福祉士国家資格制度・社会資源の調整、復職支援の相談援助担当外
介護福祉士国家資格日常生活の介護、介護方法の助言担当外
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