学習トップ理由で解く 柔道整復師リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ33P015

理由で解く 柔道整復師

QJ33P015 リハビリテーション医学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問15
問題
自発語は非流暢だが、言語理解と復唱が良好なのはどれか。
選択肢
1 ブローカ失語
2 ウェルニッケ失語
3 超皮質性運動性失語
4 超皮質性感覚性失語
解答
正解3(超皮質性運動性失語)
解説

失語の分類は復唱が保たれるかどうかで大きく分かれ、復唱良好なら「超皮質性」がつく型である。そのうち自発語が非流暢なものが超皮質性運動性失語にあたる。

失語は①発話が流暢か、②聞いて分かるか、③復唱できるか、の3軸で整理すると迷いにくい。復唱という作業は、上側頭回後部(ウェルニッケ野)から弓状束を通って下前頭回後部(ブローカ野)へ至る、シルビウス裂周囲の回路だけで完結する。超皮質性失語ではこの回路自体は無事で、その外側にある分水嶺(境界)領域が前大脳動脈・中大脳動脈間などの血流低下で傷むため、復唱だけが島のように取り残されて保たれる。超皮質性運動性失語では発話を起動する働きが落ちて自発語が乏しく非流暢になる一方、理解は保たれ、促されればオウム返しはできるという、独特の組み合わせを示す。

✓ 3. 正しい
超皮質性運動性失語
ブローカ野より前方・上方の領域や、補足運動野との連絡が障害されるため、話し始めの起動が悪く自発語は非流暢になる。復唱回路とウェルニッケ野は温存されるので復唱も理解も良好で、設問の3条件がそのまま揃う。訓練では保たれている復唱や音読を足場にして発話を引き出す。
✗ 1. 誤り
ブローカ失語
非流暢で理解が比較的良好という点までは設問と重なるが、弓状束を含む復唱の回路が傷むため復唱は障害される。「復唱が良好」という条件で外れる。復唱の可否がブローカ失語と超皮質性運動性失語を分ける決定打になる。
✗ 2. 誤り
ウェルニッケ失語
発話は流暢で、むしろ多弁のなかに錯語や新造語が混じる。理解も復唱もともに不良であり、設問の3条件のいずれとも合わない。
✗ 4. 誤り
超皮質性感覚性失語
復唱が良好である点は設問と一致するが、発話は流暢で理解が不良である。ウェルニッケ失語に「復唱良好」が加わった型と捉えると位置づけがはっきりする。設問は非流暢と指定しているため該当しない。
ポイント
  • 失語は流暢性・聴覚的理解・復唱の3軸で分類する。まず復唱で「超皮質性かどうか」を切り分ける。
  • 超皮質性=シルビウス裂周囲の言語野は無事で、その外側の分水嶺領域が障害される。だから復唱が残る。
  • 超皮質性運動性=非流暢+理解良好+復唱良好。超皮質性感覚性=流暢+理解不良+復唱良好。
  • ブローカ=非流暢・理解比較的良好・復唱不良。ウェルニッケ=流暢・理解不良・復唱不良。
  • 伝導失語は流暢・理解良好でありながら復唱が際立って悪い型で、弓状束の障害が典型とされる。
比較表
失語のタイプ自発語の流暢性聴覚的理解復唱主な責任部位
超皮質性運動性失語非流暢良好良好ブローカ野の前上方・補足運動野との連絡
ブローカ失語非流暢比較的良好不良左下前頭回後部
ウェルニッケ失語流暢不良不良左上側頭回後部
超皮質性感覚性失語流暢不良良好側頭頭頂の境界領域
伝導失語流暢良好著明に不良弓状束
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