学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / リハビリテーション医学 ▸ §4 リハビリテーション医学の評価と診断 / QJ33P014
理由で解く 柔道整復師
CTで「やや低吸収」にとどまるのに、MRI拡散強調像(DWI)では鮮明な高信号——このズレが出るのは発症間もない脳梗塞である。正答は3。
脳血流が途絶えると、まずNa⁺/K⁺ポンプが止まって細胞外の水が細胞内へ移動する(細胞性浮腫)。細胞内に閉じ込められた水分子は自由に動けないため拡散が制限され、DWIは発症後数十分〜数時間という早い段階から明瞭な高信号を示す(ADC値は低下する)。一方CTが写しているのは病巣組織の含水量が増えることによるX線吸収値の低下である。ところが超急性期に起きているのは細胞外から細胞内へ水が移動する「再分布」にすぎず、虚血に陥った組織そのものの総含水量はまだほとんど増えていない(正味の水分量が増えるのは、血液脳関門が破綻して血管性浮腫が加わる数時間〜数日後)。そのためCTでは、レンズ核の輪郭が不明瞭になる、皮質と白質の境界が甘くなる、脳溝が浅くなるといった「言われて初めて分かる程度のやや低吸収」にとどまる。つまりCTは鈍く、DWIは鋭いのが新しい脳梗塞の特徴で、これが急性期にDWIを撮る根拠になっている。出血かどうかはCTが即答してくれるので、実際の初期対応では「CTで出血を否定し、MRI(DWI)で梗塞を拾う」という順で進める。
| 病巣 | CT | MRI 拡散強調像(DWI) | 成り立ち |
|---|---|---|---|
| 新しい脳出血 | 明瞭な高吸収域 | 血腫の時期で信号が変化し、一定しない | 凝集したヘモグロビン蛋白が高密度 |
| 古い脳出血 | 低吸収(嚢胞化) | 鮮明な高信号にはならない | 血腫が吸収され、壁にヘモジデリンが残る |
| 新しい脳梗塞 | やや低吸収(早期虚血変化) | 鮮明な高信号(ADC低下) | 細胞性浮腫で水分子の拡散が制限される |
| 古い脳梗塞 | 明瞭な低吸収(軟化巣) | 等信号〜低信号 | 壊死組織が吸収され、水が自由に拡散する |
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