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理由で解く 柔道整復師

QJ33P010 衛生学・公衆衛生学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問10
問題
機械的清拭法による手指の消毒で最初に行うのはどれか。
選択肢
1 速乾性擦式消毒薬による擦り込み
2 酒精綿による拭き取り
3 ブラシによる手洗い
4 流水による手洗い
解答
正解4(流水による手洗い)
解説

機械的清拭法は洗浄によって微生物を物理的に洗い流す方法で、最初に行うのは流水による手洗いである。答えは4。

手指の消毒は、汚れと微生物を機械的に落とす段階と、薬剤で殺菌する化学的な段階を組み合わせて行う。手術時手洗いを例にとると、流水と石けんで手指から前腕までを洗う→必要に応じてブラシで爪周囲や指間を洗う→清潔なタオルで拭き取る→速乾性擦式消毒薬をすり込む、という順序になる。洗浄を先に置くのには理由があり、皮脂や血液などの有機物が残ったまま消毒薬を使うと、薬剤が有機物と反応して殺菌力が落ちてしまう。まず汚れを落とし、それから消毒薬を作用させるという順番が効果を左右する。柔道整復の現場でも、目に見える汚れがあるときは流水と石けんによる手洗いを行い、汚れがない場面では速乾性擦式消毒薬のすり込みで衛生的手指消毒を行うと、施術ごとの手指衛生を確実に保てる。なお本問が問うているのは手技の正誤ではなく順序であり、どの選択肢の操作も手指衛生として正しい手技である点に注意したい。

✓ 4. 最初に行う(これが正解)
流水による手洗い
最初の段階。流水と石けんで、目に見える汚れと皮膚表面に付着した通過菌を物理的に洗い流す。ここで有機物を落としておくことが、後の消毒薬の効果を確保するうえで欠かせない。
✗ 1. 最後に行う(=答えではない)
速乾性擦式消毒薬による擦り込み
手技そのものは現場で広く推奨される正しい方法だが、順序としては化学的消毒にあたり、洗浄と拭き取りを終えた最後の段階で行う。皮膚が濡れたままだと薬液が薄まるため、水分を除いてからすり込む。
✗ 2. 洗浄後に行う(=答えではない)
酒精綿による拭き取り
洗浄後に水分と残った汚れを除く段階で、最初に行う操作ではない。
✗ 3. 2番目に行う(=答えではない)
ブラシによる手洗い
流水で大きな汚れを落とした後、爪周囲や指間など落ちにくい部位に用いる。強くこすりすぎると皮膚を傷つけて常在菌の温床になるため、力を加減して短時間で行う。
ポイント
  • 機械的清拭法=洗浄によって微生物を物理的に除去する方法。順序は「流水→ブラシ→拭き取り→消毒薬」。
  • 洗浄が先、消毒が後。有機物が残っていると消毒薬の殺菌力が低下するため。
  • 手洗いは目的別に、日常的手洗い・衛生的手洗い・手術時手洗いに分けられる。
  • 目に見える汚れがあるときは流水と石けん、汚れがないときは速乾性擦式消毒薬という使い分けを身につける。
  • ブラシは爪周囲・指間に限って穏やかに使い、皮膚を傷めない。
比較表
順序操作種類目的
1流水(+石けん)による手洗い機械的目に見える汚れと通過菌の洗い流し
2ブラシによる手洗い機械的爪周囲・指間の汚れの除去
3酒精綿・清潔タオルによる拭き取り機械的+化学的水分と残存汚れの除去
4速乾性擦式消毒薬のすり込み化学的残存する微生物の殺菌
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