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理由で解く 柔道整復師

QJ33P009 衛生学・公衆衛生学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問9
問題
再興感染症はどれか。
選択肢
1 結核
2 エボラ出血熱
3 新型コロナウイルス感染症
4 クロイツフェルト・ヤコブ(Creutzfeldt-Jakob) 病
解答
正解1(結核)
解説

再興感染症とは、いったん制圧に近づいたのに再び増加してきた感染症のこと。代表が結核なので、答えは1。

新興感染症は、ここ数十年のあいだに新たに認識された感染症で、エボラ出血熱、HIV感染症、SARS、MERS、新型コロナウイルス感染症、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、腸管出血性大腸菌O157感染症などが含まれる。一方、再興感染症は、かつて大きな健康問題であったが公衆衛生対策や治療法の進歩で減少したのに、薬剤耐性菌の出現、対策の緩み、人口移動やグローバル化、免疫が低下した高齢者の増加などによって再び問題化したものを指し、結核、マラリア、デング熱、ジフテリア、百日咳、狂犬病などが挙げられる。我が国の結核は1950年(昭和25年)まで死因の第1位であったが、1951年(昭和26年)に脳血管疾患に抜かれて第2位となり、その後は化学療法の普及と結核対策によって患者数・死亡数が激減した。ところが1997年に新規登録患者数と罹患率が38年ぶりに増加へ転じ、1999年(平成11年)には「結核緊急事態宣言」が出された経緯があり、再興感染症の典型例として扱われる。1997年の増加への転換と1999年の宣言は別の出来事なので、年号を混同しないこと。現在は罹患率が人口10万対10を下回り低まん延国となったが、高齢者や外国出生者での発生への対応が続く課題である。

✓ 1. 正しい
結核
かつて国民病といわれ死因第1位だったが対策で激減し、その後に罹患率の上昇や集団感染がみられたことから再興感染症の代表とされる。感染症法では二類感染症で、診断した医師は直ちに届け出る。
✗ 2. 誤り
エボラ出血熱
1976年にアフリカで初めて確認されたウイルス性出血熱で、新興感染症に分類される。感染症法では一類感染症。
✗ 3. 誤り
新型コロナウイルス感染症
2019年末に初めて確認された、まさに新興感染症の例である。過去に流行していたものが再び増えたわけではない。
✗ 4. 誤り
クロイツフェルト・ヤコブ(Creutzfeldt-Jakob) 病
異常プリオン蛋白による中枢神経の疾患で、1990年代に牛海綿状脳症との関連で変異型が問題となった経緯から新興感染症として扱われる。
ポイント
  • 新興感染症=近年新たに認識された感染症(エボラ出血熱、HIV、SARS、MERS、新型コロナ、変異型CJD、O157 など)。
  • 再興感染症=いったん減少したが再び問題化した感染症(結核、マラリア、デング熱、ジフテリア、百日咳、狂犬病 など)。
  • 再興の背景は薬剤耐性、対策の緩み、人口移動・グローバル化、高齢者など易感染者の増加。
  • 結核は1950年(昭和25年)まで我が国の死因第1位。1951年に脳血管疾患に抜かれ、その後は化学療法と結核対策で激減した。
  • 1997年に新規登録患者数・罹患率が38年ぶりに増加へ転じ、1999年(平成11年)に「結核緊急事態宣言」が出された。この2つは別の出来事で、年号の入れ替えに注意。
  • 結核は感染症法の二類感染症で、診断した医師には直ちに届け出る義務がある。
比較表
区分定義代表例
新興感染症近年新たに認識され、公衆衛生上の問題となった感染症エボラ出血熱、HIV感染症、SARS、MERS、新型コロナウイルス感染症、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病、腸管出血性大腸菌O157感染症
再興感染症いったん減少したが再び増加・問題化した感染症結核、マラリア、デング熱、ジフテリア、百日咳、狂犬病、ペスト
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