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理由で解く 柔道整復師

QJ33P003 衛生学・公衆衛生学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午後 問3
問題
コホート研究の説明で誤っているのはどれか。
選択肢
1 調査期間が短い。
2 バイアスが少ない。
3 仮説証明が容易である。
4 要因の有無別に疾病発生状況を調べる。
解答
正解1(調査期間が短い。)
解説

コホート研究は要因の有無で分けた集団を将来に向かって追跡する前向き研究で、年単位の長い期間と多数の対象者を要する。「調査期間が短い」は当てはまらないので、答えは1。

コホート研究では、まだ発病していない集団を曝露あり群となし群に分け、時間を追って疾病の発生を観察する。曝露が先で発病が後という時間的順序が確実に確認でき、罹患率・相対危険・寄与危険を直接計算できるため、因果関係の証明力が高い。その代わり、まれな疾患では膨大な人数と長期の追跡が必要になり、費用と脱落(追跡不能)が問題になる。短期間・少人数で済むのは症例対照研究で、すでに発病した人と対照者に過去の曝露を尋ねる後ろ向きの方法である。こちらは記憶に頼るため思い出しバイアスが入りやすく、算出できるのは相対危険の近似であるオッズ比にとどまる。「期間が長い・費用がかかる・バイアスが少ない・証明力が高い」がコホートの4点セットと押さえておくとよい。

✓ 1. これが誤り(正解)
調査期間が短い。
曝露の有無で分けた集団を発病するまで追い続けるため、調査期間は数年から数十年に及ぶことが多く、費用も大きい。短期間で結果が出るのは症例対照研究である。
✗ 2. 正しい記述(=答えではない)
バイアスが少ない。
曝露の情報を発病する前に集めるため、思い出しバイアスや選択バイアスが入りにくい。コホート研究の大きな長所である。
✗ 3. 正しい記述(=答えではない)
仮説証明が容易である。
曝露が先、発病が後という時間的前後関係を直接確認でき、罹患率や相対危険も算出できるため、観察研究のなかでは因果関係の検証力が高い。
✗ 4. 正しい記述(=答えではない)
要因の有無別に疾病発生状況を調べる。
要因(曝露)の有無で群を分け、その後の疾病発生を比べるという記述そのものがコホート研究の定義にあたる。
ポイント
  • コホート研究=前向き(要因→疾病)。曝露の有無で群を分けて追跡する。
  • 長所はバイアスが少なく、罹患率・相対危険・寄与危険を直接算出できること。
  • 短所は長期間・多人数・高費用で、まれな疾患には向かないこと。
  • 症例対照研究は後ろ向きで短期間・低費用、まれな疾患に向くがオッズ比しか出せず思い出しバイアスを受けやすい。
  • 設問は「誤っているもの」を選ぶ形式なので、長所の記述に惑わされず短所を裏返した記述を探す。
比較表
項目コホート研究症例対照研究
時間の向き前向き(要因→疾病)後ろ向き(疾病→要因)
群の分け方曝露の有無で分ける患者群と対照群に分ける
期間・費用長い・高い短い・安い
まれな疾患不向き(多人数が必要)向く
バイアス少ない思い出しバイアスが入りやすい
得られる指標罹患率・相対危険・寄与危険オッズ比(相対危険の近似)
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