学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §2 疾病の一般 / QJ33A118

理由で解く 柔道整復師

QJ33A118 病理学概論

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問118
問題
メタボリック症候群の診断基準項目はどれか。2つ選べ。
選択肢
1 血圧
2 血糖
3 肝機能
4 皮下脂肪量
解答
正解1(血圧)、2(血糖)
解説

日本のメタボリックシンドロームの診断は、内臓脂肪の指標である腹囲を必須条件とし、そのうえで脂質・血圧・血糖の3項目のうち2つ以上が基準を超えるかで判定します。選択肢の中で基準項目にあたるのは血圧と血糖です。

2005年に日本の8学会が合同で定めた基準では、まずウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上(内臓脂肪面積100cm²に相当)であることが必須条件となる。そのうえで、①高トリグリセリド血症150mg/dL以上かつ/または低HDLコレステロール40mg/dL未満、②収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上、③空腹時血糖110mg/dL以上、の3項目のうち2項目以上を満たすと診断される。それぞれの基準値が、高血圧症や糖尿病と診断される値より一段低く設定されているのが特徴で、動脈硬化が進む前の段階を拾い上げ、食事・運動・減量といった生活習慣の見直しにつなげる設計になっている。特定健診(メタボ健診)でもこの枠組みが使われている。

✓ 1. 正しい
血圧
収縮期血圧130mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上が該当項目。高血圧症の診断基準(140/90mmHg)より低い値で、まだ高血圧と呼ばれない段階から動脈硬化の危険を拾い上げる意図がある。
✓ 2. 正しい
血糖
空腹時血糖110mg/dL以上が該当項目。糖尿病の診断基準(126mg/dL以上)より低く、境界型の段階で介入できるように設定されている。内臓脂肪から出るアディポサイトカインがインスリン抵抗性を高めることが背景にある。
✗ 3. 誤り
肝機能
AST・ALT・γ-GTPなどの肝機能検査は診断基準に含まれない。内臓脂肪の蓄積に脂肪肝が伴うことは多いが、判定項目としては採用されていない。
✗ 4. 誤り
皮下脂肪量
評価の対象は内臓脂肪であって皮下脂肪ではない。皮下脂肪が多いだけでは該当せず、腹囲は内臓脂肪面積を簡便に推定するための代用指標として測定している。
ポイント
  • 必須条件はウエスト周囲径(男性85cm以上/女性90cm以上)。ここを満たさなければ他が該当しても診断されない。
  • 選択項目は「脂質・血圧・血糖」の3つ。このうち2項目以上で診断。
  • 脂質はTG 150mg/dL以上かつ/またはHDL-C 40mg/dL未満、血圧は130/85mmHg以上、血糖は空腹時110mg/dL以上。
  • いずれも高血圧症・糖尿病の診断基準より低い。「病気になる前に拾う」ための値と理解する。
  • 見ているのは内臓脂肪。皮下脂肪量や肝機能、総コレステロール、LDLは項目に入らない。
比較表
区分項目基準
必須ウエスト周囲径(内臓脂肪蓄積)男性85cm以上/女性90cm以上
選択(2項目以上)脂質TG 150mg/dL以上 かつ/または HDL-C 40mg/dL未満
選択(2項目以上)血圧収縮期130mmHg以上 かつ/または 拡張期85mmHg以上
選択(2項目以上)血糖空腹時血糖110mg/dL以上
含まれない肝機能、皮下脂肪量、LDL-C、BMI判定項目ではない
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。