学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §2 運動器の構造と機能 / QJ33A108

理由で解く 柔道整復師

QJ33A108 運動学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問108
問題
筋紡錘で正しいのはどれか。
選択肢
1 深部感覚受容器である。
2 筋腱移行部に存在する。
3 粗大な動きをする筋では密度が高い。
4 筋の自動伸展時にインパルスを発射する。
解答
正解1(深部感覚受容器である。)
解説

筋紡錘は骨格筋の中にあって筋の長さと伸張速度を感知する固有受容器であり、深部感覚(位置覚・運動覚)の受容器です。正答は1。

筋紡錘は数本の錘内筋線維を結合組織性の被膜が紡錘形に包んだ器官で、通常の筋線維(錘外筋線維)と並列に筋腹の中へ埋まっています。並列だからこそ、筋が引き伸ばされると筋紡錘も同時に引き伸ばされ、一次終末(Ia群線維)と二次終末(II群線維)がインパルスを発します。この情報が脊髄でα運動ニューロンを興奮させると伸張反射(腱反射)が起こります。一方、筋の張力を測るのは筋腱移行部にあり錘外筋線維と直列に並ぶゴルジ腱器官(腱紡錘)で、Ib群線維を介して自原抑制を起こします。「場所・配置・測る量・反射の向き」が対になっているので、二つを必ずセットで押さえます。

✓ 1. 正しい
深部感覚受容器である。
筋・腱・関節に分布する固有受容器(深部感覚受容器)の代表格です。筋の長さの変化とその速さを中枢へ伝え、関節の位置覚・運動覚や姿勢の調節に関わります。
✗ 2. 誤り
筋腱移行部に存在する。
筋腱移行部にあるのはゴルジ腱器官です。筋紡錘は筋腹の中で錘外筋線維の間に散在します。「腱にあるのが腱器官、筋の中にあるのが筋紡錘」と名前どおりに結び付けると取り違えません。
✗ 3. 誤り
粗大な動きをする筋では密度が高い。
関係は逆です。手内在筋・外眼筋・後頭下筋のように細かく精密な調節を要する筋ほど筋紡錘の密度が高く、大腿や体幹の大きな筋のように粗大な運動を担う筋では密度が低くなります。「細かい仕事をする筋ほどセンサーが多い」と押さえます。
✗ 4. 誤り
筋の自動伸展時にインパルスを発射する。
筋紡錘が強く発射するのは、外力によって筋が他動的に引き伸ばされたときです。自分の筋収縮による運動では、α運動ニューロンと同時にγ運動ニューロンが働いて錘内筋線維も短縮し(α-γ連関)、たるみを補って感度を保ちます。「他動伸張で発射、自動運動ではγ系が感度を調整」と対にして覚えます。
ポイント
  • 筋紡錘=筋腹にある深部感覚(固有)受容器。錘外筋線維と並列に配置。
  • 感知するのは筋の長さと伸張速度。求心路はIa群・II群線維。
  • 他動的な伸張で発射し、伸張反射(腱反射)を引き起こす。
  • 精密な運動を行う筋ほど密度が高い(手内在筋・外眼筋・後頭下筋など)。
  • ゴルジ腱器官は筋腱移行部で直列配置、張力を感知しIb抑制を起こす。
比較表
比較項目筋紡錘ゴルジ腱器官(腱紡錘)
存在部位筋腹(錘外筋線維の間)筋腱移行部
筋線維との配置並列直列
感知する量筋の長さ・伸張速度筋の張力
求心性線維Ia群・II群Ib群
反射の向き伸張反射(同名筋を促通)Ib抑制・自原抑制(同名筋を抑制)
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