学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §3 循環 / QJ33A098

理由で解く 柔道整復師

QJ33A098 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問98
問題
血圧が低下した際に働く受容器が存在するのはどれか。
選択肢
1 冠状動脈
2 頸動脈洞
3 椎骨動脈
4 鎖骨下動脈
解答
正解2(頸動脈洞)
解説

動脈圧を感知する圧受容器は頸動脈洞と大動脈弓に存在する。選択肢では頸動脈洞が該当する。

頸動脈洞は、総頸動脈が内頸動脈と外頸動脈に分かれるあたりのわずかな膨らみで、血管壁の伸展を感じ取る圧受容器が分布している。ここからの情報は舌咽神経を通って(大動脈弓の圧受容器からは迷走神経を通って)延髄の心臓血管中枢へ届く。血圧が低下すると血管壁の伸びが減り、圧受容器からの求心性インパルスが減少する。すると中枢は交感神経の活動を高め、迷走神経の活動を下げるので、心拍数と心収縮力が増し、末梢血管が収縮して血圧が元に戻る。これが圧受容器反射(頸動脈洞反射)で、急に立ち上がって一瞬ふらついてもすぐ回復するのはこの働きによる。なお、すぐ近くにある頸動脈小体は化学受容器で、動脈血の酸素分圧の低下や二酸化炭素・水素イオンの増加を感知し呼吸を調節する。名前が似ているので役割で区別しておきたい。

✓ 2. 正しい
頸動脈洞
圧受容器が分布し、舌咽神経を介して延髄の心臓血管中枢へ血圧情報を送る。血圧低下時には求心性放電が減り、交感神経優位となって心拍数・血管抵抗が上がり血圧が回復する。
✗ 1. 誤り
冠状動脈
心筋そのものへ血液を送る動脈。心筋の酸素需要に応じて自ら血流を調節するが、全身の血圧を感知する受容器の座ではない。
✗ 3. 誤り
椎骨動脈
鎖骨下動脈から分かれ、左右が合流して脳底動脈となり脳幹・小脳を養う血管。圧受容器は分布しない。
✗ 4. 誤り
鎖骨下動脈
上肢へ向かう動脈で、圧受容器はない。血圧測定に使う上腕動脈はこの続きだが、受容器があるわけではない。
ポイント
  • 圧受容器は頸動脈洞と大動脈弓。求心路はそれぞれ舌咽神経と迷走神経で、中枢は延髄。
  • 血圧低下→圧受容器からの求心性インパルス減少→交感神経亢進・迷走神経抑制→心拍数と血管抵抗が上がり血圧が戻る。
  • 化学受容器は頸動脈小体と大動脈小体。酸素分圧の低下、二酸化炭素と水素イオンの増加を感知して呼吸を促す。
  • 圧受容器=血圧、化学受容器=血液ガス。場所が近いので働きで区別する。
  • 起立性低血圧やこの反射の理解は、施術中の体位変換時の観察にも直結する知識として押さえておきたい。
比較表
圧受容器化学受容器
場所頸動脈洞、大動脈弓頸動脈小体、大動脈小体
感知するもの血管壁の伸展(動脈血圧)酸素分圧の低下、二酸化炭素・水素イオンの増加
求心性神経舌咽神経(頸動脈洞)/迷走神経(大動脈弓)舌咽神経(頸動脈小体)/迷走神経(大動脈小体)
おもな反応心拍数・血管抵抗の調節換気量の増加
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