学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ33A087

理由で解く 柔道整復師

QJ33A087 生理学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問87
問題
協調した滑らかな動作や運動を学習するのに重要なのはどれか。
選択肢
1 大脳辺縁系
2 大脳基底核
3 脳幹
4 脊髄
解答
正解2(大脳基底核)
解説

選択肢の中で、なめらかな随意運動の調節と運動の学習に中心的に関わるのは大脳基底核である。

運動の指令そのものは大脳皮質運動野から出るが、その“出し方”を整えているのが大脳基底核と小脳である。大脳基底核(線条体・淡蒼球・視床下核・黒質など)は、大脳皮質→基底核→視床→大脳皮質というループを作り、必要な運動を通し、不要な運動を抑えることで、動作の開始・停止と力加減をなめらかにしている。さらに、繰り返し練習して身につく運動技能(手続き記憶)の形成にも深く関与する。このループが障害されると、パーキンソン病の動作緩慢・筋固縮や、ハンチントン病の不随意運動のように“滑らかさ”が失われる。なお運動の誤差修正やタイミング調整には小脳も不可欠だが、本問の選択肢には含まれていないため、与えられた4つの中で最も適切なものを選ぶ。

✓ 2. 正しい
大脳基底核
皮質—基底核—視床ループを通じて運動の開始と抑制を調節し、力加減やタイミングを整える。反復による運動学習(手続き記憶)にも関与する。障害像としてパーキンソン病・ハンチントン病を結びつけて覚える。
✗ 1. 誤り
大脳辺縁系
海馬・扁桃体・帯状回などからなり、情動、意欲、記憶(特にエピソード記憶)、本能行動や自律機能の調節を担う。運動の協調が主たる役割ではない。
✗ 3. 誤り
脳幹
中脳・橋・延髄からなり、姿勢反射や筋緊張の調節、呼吸・循環の中枢、脳神経核の座である。姿勢という土台は作るが、技能を学習する部位ではない。
✗ 4. 誤り
脊髄
伸張反射や屈曲反射など反射弓の中枢であり、上位中枢からの指令を筋へ中継する経路でもある。運動学習が行われる場ではない。
ポイント
  • 大脳基底核は皮質—基底核—視床ループで運動の開始・抑制と力加減を調節し、手続き記憶(運動学習)に関わる。
  • 小脳は運動の誤差修正・タイミング調整・協調(および運動学習)を担う。両者は役割が近いので、障害像で区別する。
  • 基底核の障害=パーキンソン病(動作緩慢・安静時振戦・筋固縮)、ハンチントン病(舞踏運動)。
  • 小脳の障害=運動失調、企図振戦、測定障害、平衡障害。
  • 大脳辺縁系は情動と記憶、脳幹は生命維持と姿勢、脊髄は反射と伝導路と、機能で線を引いておく。
比較表
大脳基底核小脳
主な役割運動の開始・抑制、力加減、運動プログラムの選択運動の誤差修正、タイミング調整、協調と平衡
運動学習手続き記憶の形成に関与反復による運動の最適化に関与
代表的な障害パーキンソン病、ハンチントン病運動失調、企図振戦、測定障害
症状の質動きが出にくい/余分な動きが出る動きは出るが狙いが外れる・ぎこちない
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