学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ33A078

理由で解く 柔道整復師

QJ33A078 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問78
問題
聴診三角と腰三角の両方の構成に関わるのはどれか。
選択肢
1 外腹斜筋
2 大菱形筋
3 広背筋
4 僧帽筋
解答
正解3(広背筋)
解説

聴診三角と腰三角の両方の境界をつくるのは広背筋である。正解は3。

広背筋は腰背腱膜・腸骨稜・下位胸椎から起こって上外方へ収束し、上腕骨小結節稜に停止する、背部でもっとも広い筋である。その広がりゆえに、上方では僧帽筋と肩甲骨との間で聴診三角の下方の境界を、下方では外腹斜筋と腸骨稜との間で腰三角の後方の境界をつくる。聴診三角は肩甲骨下角の内側にあり、内側を僧帽筋の外下縁上外側を肩甲骨内側縁(大菱形筋の下縁)下方を広背筋の上縁が囲む。ここは筋の層が薄く背部から呼吸音を聴き取りやすいことが名の由来である。腰三角(Petit三角)は外腹斜筋の後縁(前方の境界)・広背筋の前縁(後方の境界)・腸骨稜(下方の境界)で囲まれ、腹壁の層が薄いため腰ヘルニアの好発部位となる。「上の三角の下方の境界と、下の三角の後方の境界を同じ筋が担当している」と位置関係で捉えると、丸暗記せずに答えを出せる。

✓ 3. 正しい
広背筋
聴診三角ではその上縁が下方の境界を、腰三角ではその前縁が後方の境界をつくる。背部を上外側から下内側まで広く覆うため、両方の三角に関与できる。
✗ 1. 誤り
外腹斜筋
その後縁が腰三角の前方の境界をつくるが、聴診三角には関与しない。側腹壁の最外層の筋で、背部の高い位置までは達しない。
✗ 2. 誤り
大菱形筋
肩甲骨内側縁に停止し、その下縁が肩甲骨内側縁とともに聴診三角の上外側の境界をつくるが、腰三角には関与しない。位置が上背部に限られる。
✗ 4. 誤り
僧帽筋
僧帽筋の外下縁が聴診三角の内側の境界をつくるが、停止が肩甲棘・肩峰・鎖骨で、下方の起始も胸椎までであるため腰三角には届かない。
ポイント
  • 両方に関わるのは広背筋。背部を最も広く覆う筋であることが理由。
  • 聴診三角=内側が僧帽筋の外下縁、上外側が肩甲骨内側縁(大菱形筋の下縁)、下方が広背筋の上縁。筋層が薄く呼吸音を聴きやすい。
  • 腰三角(Petit三角)=前方が外腹斜筋の後縁、後方が広背筋の前縁、下方が腸骨稜。腰ヘルニアの好発部位。
  • 聴診三角の位置の目安は肩甲骨下角の内側。上肢を前方に組ませ肩甲骨を外転させると広がる。
  • 広背筋の作用は肩関節の伸展・内転・内旋。起始は腰背腱膜・下位胸椎・腸骨稜など、停止は上腕骨小結節稜。
比較表
三角境界をつくる構造(方位)臨床的意義
聴診三角内側=僧帽筋の外下縁/上外側=肩甲骨内側縁(大菱形筋の下縁)/下方=広背筋の上縁筋層が薄く呼吸音を聴取しやすい
腰三角(Petit三角)前方=外腹斜筋の後縁/後方=広背筋の前縁/下方=腸骨稜腰ヘルニアの好発部位
共通の構成要素広背筋
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