学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §11 体表解剖 / QJ33A077

理由で解く 柔道整復師

QJ33A077 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問77
問題
骨盤で触知できないのはどれか。
選択肢
1 坐骨棘
2 坐骨結節
3 恥骨結節
4 上前腸骨棘
解答
正解1(坐骨棘)
解説

設問は「触知できないもの」を選ぶ問題。坐骨棘は骨盤腔の側へ突出しており、体表からは触れない。正解は1。

骨盤の骨性ランドマークは「外・前・下に張り出したものは触れる、内腔に向くものは触れない」という向きで整理すると判断しやすい。坐骨棘は大坐骨切痕と小坐骨切痕の境で内側(骨盤腔側)に鋭く突出し、仙棘靱帯が付着する。位置が深いうえ向きが内側なので体表からは確認できず、産科領域では内診によって触れ、骨盤の広さの評価や児頭の下降度(ステーション)の基準点として用いられる。一方、坐骨結節・恥骨結節・上前腸骨棘はいずれも体表側に向いて張り出しており、施術の際の基準点として日常的に触診できる。触診の練習では、まず上前腸骨棘と腸骨稜で骨盤の輪郭をとらえ、次に大腿を屈曲させて緩んだ大殿筋の下から坐骨結節を確認する、という順に進めると確実である。

✓ 1. これが答え(触知できない)
坐骨棘
骨盤腔側に向かって突出し、殿部の厚い筋層の深部にあるため体表からは触れない。仙棘靱帯の付着部で、内診では触知できる。
✗ 2. 触知できる(答えではない)
坐骨結節
殿部下方にあり、座位で体重が乗る部位。股関節を屈曲させて大殿筋を緩めると明瞭に触れる。ハムストリングスの起始部である。
✗ 3. 触知できる(答えではない)
恥骨結節
恥骨結合のすぐ外側で前方に突出する隆起。鼠径靱帯の内側の付着部にあたり、体表から触れる。
✗ 4. 触知できる(答えではない)
上前腸骨棘
腸骨稜の前端をなし、縫工筋と大腿筋膜張筋の起始、鼠径靱帯の外側端となる。骨盤の触診で最初に確認する代表的なランドマークである。
ポイント
  • 坐骨棘は体表から触知できない(骨盤腔側に突出。内診では触れる)。
  • 触れる骨盤のランドマーク:上前腸骨棘・腸骨稜・恥骨結節・恥骨結合・坐骨結節・上後腸骨棘。
  • 坐骨棘には仙棘靱帯が付き、大坐骨孔と小坐骨孔を分ける境目になる。
  • 坐骨結節はハムストリングスの起始、上前腸骨棘は縫工筋・大腿筋膜張筋の起始。
  • 触診は「上前腸骨棘・腸骨稜で輪郭 → 股関節屈曲位で坐骨結節」の順に進めると確実。
比較表
部位体表からの触知手がかり・臨床的意義
坐骨棘×骨盤腔側に突出。仙棘靱帯が付着。内診で児頭下降度の基準
坐骨結節殿部下方。座位で体重が乗る。ハムストリングス起始
恥骨結節恥骨結合の外側。鼠径靱帯の内側付着部
上前腸骨棘腸骨稜前端。鼠径靱帯の外側端
上後腸骨棘腰仙部のえくぼ。仙腸関節の目安
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