学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ33A076

理由で解く 柔道整復師

QJ33A076 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問76
問題
交感神経で支配されるのはどれか。
選択肢
1 上眼瞼挙筋
2 瞳孔括約筋
3 瞳孔散大筋
4 毛様体筋
解答
正解3(瞳孔散大筋)
解説

交感神経に支配されるのは瞳孔散大筋である。正解は3。

眼内の自律神経支配は「散大=交感、縮瞳と近見調節=副交感」という一本の軸で整理できる。交感神経は上位胸髄(T1前後)から出て交感神経幹を上行し、上頸神経節で節後線維に換わって内頸動脈神経叢をつくり、長毛様体神経を経て瞳孔散大筋に至る。この筋は放射状に走るので、収縮すると瞳孔が開く(散瞳)。副交感神経は中脳の動眼神経副核(Edinger-Westphal核)から動眼神経に乗って毛様体神経節に入り、短毛様体神経となって瞳孔括約筋と毛様体筋を支配する。輪状の括約筋が縮めば縮瞳、毛様体筋が縮めば毛様体小帯(チン小帯)が緩んで水晶体が厚くなり近くにピントが合う。頸部の交感神経路が障害されると縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下を示すホルネル症候群となり、このとき下垂を起こすのは上眼瞼板筋(ミュラー筋)である。

✓ 3. 正しい
瞳孔散大筋
上頸神経節由来の交感神経節後線維が内頸動脈神経叢・長毛様体神経を経て支配する。放射状の平滑筋で、収縮すると散瞳する。
✗ 1. 誤り
上眼瞼挙筋
動眼神経が支配する横紋筋(骨格筋)であり、自律神経支配ではない。なお同じ上眼瞼にある上眼瞼板筋(ミュラー筋)は平滑筋で交感神経支配だが、設問が挙げているのは上眼瞼挙筋なので区別して押さえる。
✗ 2. 誤り
瞳孔括約筋
副交感神経(動眼神経副核 → 毛様体神経節 → 短毛様体神経)の支配で、収縮すると縮瞳する。対光反射の効果器である。
✗ 4. 誤り
毛様体筋
こちらも副交感神経(短毛様体神経)の支配。収縮すると毛様体小帯が緩んで水晶体が厚くなり、近くを見る調節が働く。
ポイント
  • 瞳孔散大筋=交感神経(上頸神経節 → 内頸動脈神経叢 → 長毛様体神経)で散瞳。
  • 瞳孔括約筋・毛様体筋=副交感神経(動眼神経副核 → 毛様体神経節 → 短毛様体神経)。
  • 毛様体筋の収縮 → 毛様体小帯が緩む → 水晶体が厚くなる(近見調節)。
  • 上眼瞼挙筋は動眼神経支配の骨格筋、上眼瞼板筋(ミュラー筋)は交感神経支配の平滑筋
  • ホルネル症候群=縮瞳・眼瞼下垂・発汗低下(頸部交感神経路の障害)。
比較表
構造支配作用
瞳孔散大筋交感神経(上頸神経節→長毛様体神経)散瞳
瞳孔括約筋副交感(動眼神経→毛様体神経節→短毛様体神経)縮瞳
毛様体筋副交感(同上)近見調節(水晶体を厚くする)
上眼瞼挙筋動眼神経(体性運動・骨格筋)開瞼
上眼瞼板筋(ミュラー筋)交感神経(平滑筋)開瞼の補助
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