学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ33A071

理由で解く 柔道整復師

QJ33A071 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問71
問題
感覚性言語中枢が局在するのはどれか。
選択肢
1 前頭葉
2 頭頂葉
3 側頭葉
4 後頭葉
解答
正解3(側頭葉)
解説

感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)は側頭葉、上側頭回の後部にある。言葉の音を意味として理解する領域である。

上側頭回の上面、外側溝(シルビウス裂)の底に隠れて聴覚野(横側頭回、ヘシュル回)があり、耳から入った音声情報はまずここに届く。その隣で音の並びを言葉として解釈するのがウェルニッケ野で、位置が聴覚野に接していること自体が機能の理由になっている。一方、話す動作を組み立てる運動性言語中枢(ブローカ野)は前頭葉の下前頭回にあり、口や喉を動かす一次運動野の直前に位置する。両者は弓状束という連合線維で結ばれ、聞いた言葉を理解して話す回路をつくる。言語中枢は多くの人で左半球(優位半球)に偏って存在するため、同じ部位の障害でも左右で症状の出方が異なる。ウェルニッケ野が障害されると、話し方は流暢なのに内容がまとまらず、言われたことの理解も悪い感覚性失語となる。

✗ 1. 誤り
前頭葉
前頭葉の下前頭回にあるのは運動性言語中枢(ブローカ野)である。ここが障害されると、理解は比較的保たれるのに発話がたどたどしくなる運動性失語を生じる。前頭葉には中心前回の一次運動野や前頭連合野もあり、感覚性言語中枢は含まれない。
✗ 2. 誤り
頭頂葉
頭頂葉は中心後回の体性感覚野が代表で、角回・縁上回は読み書きなど言語に関わる連合野として働く。ただし音声言語を理解する感覚性言語中枢そのものはここではない。角回の障害では失読・失書が前面に出る点で区別する。
✓ 3. 正しい
側頭葉
上側頭回の後部が感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)である。同じ側頭葉にある聴覚野の直後に位置し、聞こえた音を言葉の意味に変換する。「耳で聞いて理解する場所は聴覚野のとなり」と結びつければ迷わない。
✗ 4. 誤り
後頭葉
後頭葉は鳥距溝の周囲に一次視覚野が広がる、視覚情報の入口である。障害では視野障害が生じる。言語中枢は置かれていない。
ポイント
  • 感覚性言語中枢=ウェルニッケ野。優位半球の側頭葉・上側頭回後部にあり、聴覚野の直後。
  • 聴覚野=横側頭回(ヘシュル回)。上側頭回の上面、外側溝(シルビウス裂)の底に隠れている。
  • 運動性言語中枢=ブローカ野。優位半球の前頭葉・下前頭回で、一次運動野の前方。
  • 両者は弓状束で連絡する。この経路が断たれると復唱だけが強く障害される伝導失語となる。
  • 葉ごとの機能局在:前頭=運動・ブローカ野/頭頂=体性感覚・角回/側頭=聴覚・ウェルニッケ野/後頭=視覚。
  • 言語中枢は多くの人で左半球(優位半球)に片側性に局在する。
比較表
ウェルニッケ野(感覚性)ブローカ野(運動性)
部位側頭葉・上側頭回後部前頭葉・下前頭回
隣接する領域聴覚野(横側頭回)一次運動野(中心前回の下部)
働き聞いた言葉を意味として理解する話すための言語表出を組み立てる
障害時の発話流暢だが内容が意味をなさない非流暢でたどたどしい
障害時の理解不良比較的保たれる
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