学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §8 内分泌器系 / QJ33A069

理由で解く 柔道整復師

QJ33A069 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問69
問題
上皮小体(副甲状腺)で正しいのはどれか。
選択肢
1 体表から触知できる。
2 甲状腺の頭側に位置する。
3 濾胞で構成される。
4 主細胞と酸好・性細胞からなる。
解答
正解4(主細胞と酸好・性細胞からなる。)
解説

上皮小体(副甲状腺)は甲状腺の背面に上下2対・計4個が埋まる米粒大の内分泌腺で、実質は主細胞と酸好性細胞の2種類からなる。

主細胞はパラトルモン(上皮小体ホルモン)を分泌し、骨からのカルシウム動員、腎でのカルシウム再吸収とリン排泄、活性型ビタミンDの産生を通じて血中カルシウム濃度を上げる。酸好性細胞は思春期以降に増える細胞で、ミトコンドリアに富み好酸性に染まるが、その働きははっきりしていない。上皮小体の細胞は索状ないし胞巣状に密に並んでおり、コロイドをたたえた濾胞が並ぶ甲状腺とは組織像がはっきり違う。発生学的には上の1対が第4咽頭嚢、下の1対が胸腺と同じ第3咽頭嚢に由来し、下方へ移動する過程があるため下上皮小体の位置は個人差が大きい。甲状腺の手術で上皮小体まで一緒に取ってしまうと低カルシウム血症からテタニーを起こすため、術者はこの位置関係を必ず確認する。

✗ 1. 誤り
体表から触知できる。
1個が長径5mm前後・重さ30〜50mg程度と小さく、しかも甲状腺の背面に隠れているため、正常な上皮小体を体表から触れることはできない。頸部で触れて嚥下とともに上下するのは甲状腺であり、両者を区別して覚えたい。
✗ 2. 誤り
甲状腺の頭側に位置する。
位置は甲状腺側葉の背面(後面)で、上下2対が付着している。頭側にあるのは甲状軟骨をはじめとする喉頭であり、上皮小体は甲状腺より上に乗っているわけではない。「甲状腺の裏に4個」と押さえるのが確実である。
✗ 3. 誤り
濾胞で構成される。
濾胞上皮に囲まれコロイドを蓄える濾胞構造は甲状腺の特徴である。上皮小体の細胞は毛細血管を伴いながら索状・胞巣状に配列し、濾胞をつくらない。組織像の問題では「濾胞とコロイド=甲状腺」と即断できるようにしておくとよい。
✓ 4. 正しい
主細胞と酸好・性細胞からなる。
実質を構成するのは主細胞と酸好性細胞の2種類である。数が多く実際にパラトルモンを分泌するのが主細胞、細胞質が大きくミトコンドリアに富んで好酸性に染まるのが酸好性細胞で、後者は加齢とともに増える。ホルモンを出す主役は主細胞、と結びつけて覚える。
ポイント
  • 位置:甲状腺側葉の背面に上下2対、計4個。米粒大(長径5mm前後、30〜50mg程度)で触知できない。
  • 構成細胞:主細胞(パラトルモンを分泌)+酸好性細胞(思春期以降に増加、機能は不明瞭)。
  • 組織像:索状・胞巣状に配列。濾胞とコロイドは甲状腺の特徴で、上皮小体にはない。
  • パラトルモンは骨吸収↑・腎でのCa再吸収↑・リン排泄↑・活性型ビタミンD産生↑で血中Caを上げる。甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)のカルシトニンと逆向きに働く。
  • 発生:上上皮小体は第4咽頭嚢、下上皮小体は胸腺と同じ第3咽頭嚢に由来する。
比較表
甲状腺上皮小体(副甲状腺)
位置甲状軟骨の下、気管前面。触知でき嚥下で動く甲状腺側葉の背面に上下2対(計4個)。触知できない
大きさ成人で15〜20g前後1個30〜50mg程度の米粒大
組織コロイドを含む濾胞が密に並ぶ索状・胞巣状の細胞配列(濾胞なし)
細胞濾胞上皮細胞、傍濾胞細胞(C細胞)主細胞、酸好性細胞
ホルモン甲状腺ホルモン(T3・T4)、カルシトニン(血中Ca↓)パラトルモン(血中Ca↑)
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