学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §8 内分泌器系 / QJ33A068

理由で解く 柔道整復師

QJ33A068 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問68
問題
卵胞刺激ホルモンを分泌するのはどれか。
選択肢
1 視床下部.;
2 下垂体前葉
3 副腎皮質
4 卵巣
解答
正解2(下垂体前葉)
解説

卵胞刺激ホルモン(FSH)は下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞から分泌される。正解は 2 である。

生殖内分泌は「視床下部→下垂体前葉→性腺」という3段階の階層で動く。視床下部は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を下垂体門脈へパルス状に分泌し、これを受けた下垂体前葉が卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)を血中に放出する。FSHは卵巣では卵胞の発育と顆粒膜細胞でのアロマターゼ誘導によるエストロゲン産生を促し、精巣ではセルトリ細胞に作用して精子形成を支える。LHは排卵の誘発と黄体形成、精巣ではライディッヒ細胞のテストステロン分泌を促す。性腺から出たエストロゲンやテストステロンは、視床下部と下垂体に負のフィードバックをかけて分泌量を調節する(排卵直前のエストロゲンだけは正のフィードバックとなりLHサージを起こす)。この上下関係を図で描けるようにしておくと、どのホルモンがどこから出るかで迷わなくなる。

✓ 2. 正しい
下垂体前葉
下垂体前葉(腺性下垂体)は、成長ホルモン・プロラクチン・甲状腺刺激ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン・卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンの6種を分泌する。このうちFSHとLHが性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)で、同じ細胞から分泌される。前葉は口窩の上皮(ラトケ嚢)由来の腺組織で、視床下部とは下垂体門脈という血管でつながる点も後葉との違いである。
✗ 1. 誤り
視床下部.;
視床下部が分泌するのは性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)で、FSHそのものではない。GnRHは下垂体門脈を通って前葉に届き、FSHとLHの分泌を促す上位の指令にあたる。
✗ 3. 誤り
副腎皮質
副腎皮質は外側から球状帯でアルドステロン(電解質コルチコイド)、束状帯でコルチゾール(糖質コルチコイド)、網状帯でアンドロゲン(副腎性男性ホルモン)を分泌する。上位ホルモンは副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)であり、FSHの標的でも産生部位でもない。
✗ 4. 誤り
卵巣
卵巣はFSHを受け取る側(標的器官)で、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌する。分泌するホルモンと刺激を受けるホルモンを取り違えないよう、矢印の向きで整理する。
ポイント
  • 視床下部(GnRH)→下垂体前葉(FSH・LH)→性腺(エストロゲン・プロゲステロン/テストステロン)の3段階で覚える。
  • 下垂体前葉のホルモンは6つ。GH・PRL・TSH・ACTH・FSH・LH。
  • 下垂体後葉はホルモンを産生せず、視床下部の神経細胞がつくったオキシトシンとバソプレシンを放出する。
  • FSHは卵胞発育とエストロゲン産生(女性)、精子形成の支持(男性)を担う。
  • 性ホルモンは通常は負のフィードバックで抑制するが、排卵直前の高濃度エストロゲンのみ正のフィードバックでLHサージを起こす。
比較表
部位分泌するホルモン主なはたらき
視床下部GnRH、TRH、CRH、GHRH、ソマトスタチン、ドパミン下垂体前葉の分泌を調節
下垂体前葉FSH、LH、GH、PRL、TSH、ACTH末梢内分泌腺と標的組織を刺激
下垂体後葉オキシトシン、バソプレシン(放出のみ)子宮収縮・射乳/水の再吸収
副腎皮質アルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲン電解質・糖代謝・ストレス応答
卵巣エストロゲン、プロゲステロン子宮内膜の増殖・分泌、二次性徴
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