学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §4 消化器系 / QJ33A062

理由で解く 柔道整復師

QJ33A062 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問62
問題
括約筋を有するのはどれか。
選択肢
1
2 空腸
3 横行結腸
4 下行結腸
解答
正解1(胃)
解説

消化管の中で明瞭な括約筋(幽門括約筋)をもつのは胃で、正解は 1 である。

消化管の壁は内輪走筋と外縦走筋の2層の平滑筋からなるが、内容物の流れをせき止めて時間を稼ぎたい場所では、内輪走筋が局所的に厚くなって括約筋(弁)を形成する。胃では出口の幽門に幽門括約筋があり、胃液と混ざった粥状の内容物を少量ずつ十二指腸へ送り出すとともに、十二指腸内容の逆流を防いでいる。これに対し空腸・回腸や結腸の途中には、内容物を一定方向へ送り続ければよいため括約筋は存在せず、蠕動運動と分節運動で移動させる。消化管全体では、上部食道括約筋(横紋筋)、下部食道括約筋(主に機能的)、幽門括約筋、オッディ括約筋、回盲弁(回盲括約筋)、内肛門括約筋(平滑筋)と外肛門括約筋(横紋筋)が要所に置かれており、「止めておく必要がある場所にだけ弁がある」と理解するとよい。

✓ 1. 正しい
胃の出口である幽門には、輪走筋層が著しく肥厚した幽門括約筋があり、その内面は幽門弁として粘膜のひだをつくる。この筋が内容物の十二指腸への排出を調節するため、胃内に食物が数時間とどまって消化が進む。乳児期にこの筋が肥厚して通過障害を起こすのが肥厚性幽門狭窄症である。
✗ 2. 誤り
空腸
空腸には括約筋がない。輪状ひだ(ケルクリング襞)と絨毛が発達し、吸収面積を広げているのが特徴で、内容物は分節運動と蠕動運動で先へ送られる。
✗ 3. 誤り
横行結腸
横行結腸に括約筋はない。結腸の特徴は結腸ヒモ(縦走筋が3本に集まったもの)、結腸膨起(ハウストラ)、腹膜垂であり、水分と電解質の吸収を担う。
✗ 4. 誤り
下行結腸
下行結腸にも括約筋はない。大腸で弁がある場所は入口の回盲弁と出口の肛門(内・外肛門括約筋)で、途中には存在しない。
ポイント
  • 括約筋は内輪走筋の局所的な肥厚。「内容を一時的にためる必要がある場所」に置かれる。
  • 幽門括約筋=胃の出口。胃内容の排出速度を調節し、十二指腸からの逆流を防ぐ。
  • 大腸で弁があるのは入口の回盲弁と出口の肛門のみ。途中の結腸にはない。
  • 内肛門括約筋は平滑筋(不随意・下腹神経と骨盤内臓神経)、外肛門括約筋は横紋筋(随意・陰部神経)。
  • オッディ括約筋は総胆管と主膵管の合流部を囲み、胆汁・膵液の十二指腸への流出を調節する。
比較表
括約筋部位筋の種類はたらき
上部食道括約筋咽頭と食道の境(輪状咽頭筋)横紋筋空気の流入と逆流を防ぐ
下部食道括約筋食道と胃の境(噴門部)平滑筋(主に機能的)胃内容の食道逆流を防ぐ
幽門括約筋胃の出口平滑筋胃内容の排出調節と逆流防止
オッディ括約筋大十二指腸乳頭平滑筋胆汁・膵液の流出調節
回盲弁(回盲括約筋)回腸と盲腸の境平滑筋大腸内容の小腸への逆流防止
内肛門/外肛門括約筋肛門管平滑筋/横紋筋排便の調節(不随意/随意)
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