学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §3 脈管系(循環器系) / QJ33A061

理由で解く 柔道整復師

QJ33A061 解剖学

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問61
問題
大動脈弓から分岐するのはどれか。
選択肢
1 左冠状動脈
2 右鎖骨下動脈
3 右総頸動脈
4 左総頸動脈
解答
正解4(左総頸動脈)
解説

大動脈弓から直接分岐するのは、右から順に腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈の3本です。選択肢のなかでこれに該当するのは左総頸動脈です。

大動脈は左心室を出て上向し(上行大動脈)、左後方へ弓なりに曲がって(大動脈弓)下行します。冠状動脈は上行大動脈の最も根元、大動脈弁のすぐ上にある大動脈洞(バルサルバ洞)から出ます。心臓自身が最優先で血液を受け取るための配置で、大動脈弓の分枝ではありません。大動脈弓からは3本が出ますが、左右で本数が非対称です。右側は腕頭動脈という太い共通幹が1本出て、それが右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれます。左側は左総頸動脈と左鎖骨下動脈がそれぞれ独立して弓から直接出ます。この非対称は発生の過程で大動脈弓が左側優位に残ることに由来し、結果として右側だけ共通幹を挟む形になります。「弓から出るのは3本、右は腕頭動脈にまとめられ、左は総頸と鎖骨下がバラで出る」と押さえれば、どの選択肢が問われても即答できます。

✓ 4. 正しい
左総頸動脈
左総頸動脈は大動脈弓から直接分岐する3本のうちの2本目です。左側には腕頭動脈にあたる共通幹が存在しないため、総頸動脈と鎖骨下動脈がそれぞれ独立して弓から出ます。分岐の順序は近位から腕頭動脈 → 左総頸動脈 → 左鎖骨下動脈です。
✗ 1. 誤り
左冠状動脈
左冠状動脈は上行大動脈の起始部、大動脈弁直上の左大動脈洞から出ます。大動脈弓より近位です。心臓は拡張期に冠血流を受けるため、弁のすぐ上という位置がその仕組みに直結しています。
✗ 2. 誤り
右鎖骨下動脈
右鎖骨下動脈は腕頭動脈の分枝です。大動脈弓から直接は出ません。腕頭動脈が胸鎖関節の後方あたりで右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分かれます。
✗ 3. 誤り
右総頸動脈
右総頸動脈も腕頭動脈の分枝で、大動脈弓からの直接分岐ではありません。左右の総頸動脈は起始が違うのに、以後の走行と分岐(内頸・外頸動脈への分岐)はほぼ左右対称になります。
ポイント
  • 大動脈弓の3分枝は、近位から腕頭動脈 → 左総頸動脈 → 左鎖骨下動脈。
  • 右総頸動脈と右鎖骨下動脈は腕頭動脈の枝。弓からの直接分岐ではない。
  • 冠状動脈は上行大動脈起始部(大動脈洞)から。弓より手前。
  • 左右非対称の理由は発生学的なもの。右だけ共通幹(腕頭動脈)を挟む。
  • 総頸動脈は甲状軟骨上縁あたりで内頸動脈と外頸動脈に分岐し、分岐部に頸動脈洞・頸動脈小体がある。
比較表
血管直接の起始
左・右冠状動脈上行大動脈起始部(大動脈洞)
腕頭動脈大動脈弓(第1分枝)
左総頸動脈大動脈弓(第2分枝)
左鎖骨下動脈大動脈弓(第3分枝)
右総頸動脈・右鎖骨下動脈腕頭動脈
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