学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §21 肘内障の診察および整復 / QJ33A024

理由で解く 柔道整復師

QJ33A024 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問24
問題
肘内障で正しいのはどれか。
選択肢
1 8~10歳に好発する。
2 肘関節外側が腫脹する。
3 前腕に回外力が加わり発生する。
4 輪状靱帯の嵌頓では整復困難となる。
解答
正解4(輪状靱帯の嵌頓では整復困難となる。)
解説

肘内障は幼児の橈骨頭亜脱臼で、輪状帯が腕橈関節に滑り込むことで起こります。輪状帯が深く嵌頓した場合は整復に抵抗があり、困難になることがあるとされます。

好発は1〜4歳ごろで、輪状帯がまだ薄く橈骨頭も未発達なため、前腕回内位で手を急に引かれると橈骨頭が輪状帯からわずかに抜け、輪状帯の一部が橈骨頭と上腕骨小頭の間に入り込みます。腫脹や変形はほとんど目立たず、児は前腕回内・肘軽度屈曲位で上肢を下げたままにして動かそうとすると泣く、という様子が典型です。整復は回外法や回内法で行い、多くは短時間で改善して腕を挙げるようになりますが、輪状帯の嵌頓が深いと抵抗を感じたり複数回の操作を要したりすると説明されます。整復後は児が上方の物を自分で取れるかを確認し、腫脹や変形がある場合、あるいは整復操作を繰り返しても改善しない場合は、骨折など別の病態を想定して医師の診察につなげます。

✓ 4. 正しい
輪状靱帯の嵌頓では整復困難となる。
輪状帯が橈骨頭と上腕骨小頭の間に深く入り込むと、橈骨頭を戻す通り道が塞がれる形になり、整復に抵抗を感じることがあるとされます。無理に力を加えず、肢位と操作方向を確かめ直すことが大切です。
✗ 1. 誤り
8~10歳に好発する。
好発年齢はおおむね1〜4歳の幼児です。学童期になると輪状帯が厚く丈夫になり、橈骨頭も発達するため肘内障は起こりにくくなります。この年齢層で肘の痛みを訴える場合は別の病態を考えます。
✗ 2. 誤り
肘関節外側が腫脹する。
肘内障では腫脹や皮下出血、明らかな変形は基本的にみられません。逆にはっきりした腫脹があるときは、上腕骨顆上骨折や外顆骨折などを念頭に置いて画像評価に進みます。
✗ 3. 誤り
前腕に回外力が加わり発生する。
発生機序は前腕回内位のまま長軸方向へ牽引されることです。回外は、むしろ整復操作で用いられる方向であり、受傷の力の向きとは逆になります。
ポイント
  • 好発は1〜4歳。学童期以降はまれ。
  • 機序は「回内位+牽引」。回外は整復側の動き。
  • 腫脹・変形は目立たない。腫脹があれば骨折を疑って医師へ。
  • 輪状帯が深く嵌頓すると整復に抵抗が出ることがあるとされる。
  • 整復後は上方の物を自分で取れるかで機能回復を確認する。
比較表
肘内障上腕骨顆上骨折
年齢1〜4歳が中心学童期に多い
機序回内位での牽引転倒して手をつく(過伸展)
腫脹・変形ほとんどない著明
対応整復操作で改善することが多い固定のうえ医師の診察・画像評価
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