学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §14 肋骨骨折の固定 / QJ33A016

理由で解く 柔道整復師

QJ33A016 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問16
問題
肋骨骨折の固定で正しいのはどれか。
選択肢
1 固定期間は6週とする。
2 助手は患者の前方に立つ。
3 吸気状態で息を止めさせて行う。
4 深呼吸ができるように固定する。
解答
正解2(助手は患者の前方に立つ。)
解説

肋骨骨折の固定は坐位で行い、術者が背方、助手が患者の前方に立って介助する。息を吐かせた呼気の終わりで止めさせて巻くのが基本。正答は2。

肋骨骨折では呼吸のたびに骨折部が動いて痛むため、胸郭の動きをある程度抑える固定を行う。絆創膏固定、さらし包帯、バストバンドなどを用い、最大呼気位(十分に息を吐かせた状態)で止めさせて巻く。呼気位で巻いておけば、その後に胸郭が広がろうとしても固定材が抑えとなり、骨折部の動揺と疼痛が減る。逆に吸気位で巻くと、息を吐いたときに固定が緩んで役に立たない。術者は患側の背方に位置し、助手は患者の前方に立って絆創膏やさらしの端を受け渡しながら、顔色と呼吸の様子を見る。固定期間はおおむね3週間。締めすぎは換気を妨げるので、呼吸そのものは行える強さに調節する。固定後は呼吸困難、皮下気腫、血痰、チアノーゼ、胸痛の増強といった血気胸・肺損傷を疑う変化がないかを観察し、あれば直ちに医師の診察につなぐ。

✓ 2. 正しい
助手は患者の前方に立つ。
術者が背方から巻き、助手が前方で固定材の端を受け渡すことで、胸郭を一周させる操作がなめらかになる。前方に立つ助手は同時に患者の表情・顔色・呼吸も観察でき、気分不良に早く気づける。
✗ 1. 誤り
固定期間は6週とする。
固定期間はおおむね3週間。6週は長すぎ、胸郭運動の制限が長引くことで呼吸機能の低下や肩関節の可動域制限を招きうる。疼痛の落ち着き具合をみながら、期間を延ばさず段階的に外していく。
✗ 3. 誤り
吸気状態で息を止めさせて行う。
固定は呼気の終わり、すなわち息を吐かせた状態で止めさせて行う。吸気位で巻くと、呼気で胸郭が縮んだときに固定が緩み、骨折部の動揺を抑えられなくなる。
✗ 4. 誤り
深呼吸ができるように固定する。
固定の目的は胸郭の動きを抑えて骨折部の動揺と疼痛を減らすことなので、深呼吸ができる緩さでは目的を果たせない。ただし締めすぎも換気低下や無気肺につながるため、通常の呼吸は妨げない強さに調節し、痰が出しにくいときは体位の工夫を助言する。
ポイント
  • 固定は最大呼気位(息を吐かせて止めた状態)で行う。吸気位で巻くと呼気時に緩む。
  • 術者は患側の背方、助手は患者の前方。前方の助手が材料の受け渡しと表情・呼吸の観察を担う。
  • 固定期間はおおむね3週間。
  • 固定具:絆創膏固定、さらし包帯、バストバンドなど。締めすぎず、通常の呼吸は保てる強さに。
  • 呼吸困難・皮下気腫・血痰・チアノーゼがあれば血気胸や肺損傷を疑い、直ちに医師の診察につなぐ。
比較表
項目正しい対応理由
巻くタイミング呼気の終わり(息を吐かせて止める)その後の胸郭拡大を抑えられる
助手の位置患者の前方材料の受け渡しがしやすく、顔色・呼吸も見られる
固定期間およそ3週間長すぎると呼吸機能・肩関節可動域に影響
固定の強さ胸郭の動きは抑え、呼吸は妨げない締めすぎは換気低下・無気肺の原因
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。