学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §9 上腕骨外科頸外転型骨折の診察および整復 / QJ33A007

理由で解く 柔道整復師

QJ33A007 必修問題

出典:第33回柔道整復師国家試験(2025)午前 問7
問題
上腕骨外科頸外転型骨折の診察で誘導後の手順はどれか。 ①整復の準備 ②損傷部の確認 ③全身状態の観察
選択肢
1 ①→②→③
2 ①→③→②
3 ②→①→③
4 ③→②→①
解答
正解4(③→②→①)
解説

誘導後の手順は ③全身状態の観察 → ②損傷部の確認 → ①整復の準備。全身を先に、局所を後に、が原則。正答は4。

上腕骨外科頸骨折は高齢者が転倒して受傷することが多く、その転倒の背景に失神、不整脈、脳血管障害などが隠れていることがある。また頭部、胸部、股関節といった他部位の合併損傷を伴うこともある。そこで、患者を落ち着ける位置へ誘導したら、まず意識、呼吸、脈拍、顔色といった全身状態を観察し、生命に関わる問題や他部位の損傷がないかを確かめる。次に局所へ移り、腫脹・変形・圧痛・軸圧痛を診るとともに、腋窩神経の障害(三角筋部の感覚低下、外転の困難)と橈骨動脈拍動を確認する。ここまでで応急手当として扱える損傷と判断できて初めて整復の準備に移る。外転型で高度な転位や神経血管症状を伴う場合は、整復を急がず患肢を安静な肢位で固定し、医師の診察につなぐ。

✓ 4. 正しい
③→②→①
全身状態の観察 → 損傷部の確認 → 整復の準備、の順。命に関わる問題を先に除外し、次に局所の状態と神経血管を確かめ、安全と判断できてから処置へ進む流れになっている。
✗ 1. 誤り
①→②→③
整復の準備から始まり、全身状態の観察が最後になっている。ショックや合併損傷、転倒の原因となった内科的な問題への気づきが遅れるため、順序として採れない。
✗ 2. 誤り
①→③→②
損傷部を確認する前に整復の準備を始めることになる。どこがどう損傷しているか、神経血管に問題がないかを見ないまま準備を進める形になり、手順として成り立たない。
✗ 3. 誤り
②→①→③
局所から入って全身状態の観察が最後に回っている。局所の所見に気を取られて全身の異変を見落とす典型で、まず全身という原則から外れる。
ポイント
  • 順序の原則:全身状態 → 損傷部(局所) → 整復の準備。
  • 高齢者の転倒では、転倒の原因(失神・不整脈・脳血管障害)と他部位の合併損傷を確かめる。
  • 局所では腫脹・変形・圧痛・軸圧痛に加え、腋窩神経(三角筋部の感覚と外転)と橈骨動脈拍動を必ず診る。
  • 神経血管症状や高度転位があれば整復を急がず、安静肢位で固定して医師の診察につなぐ。
  • この「全身→局所→処置」は他の外傷にも共通する診察の型として覚える。
比較表
何をするか飛ばすと困ること
1(③)全身状態の観察:意識・呼吸・脈拍・顔色、他部位の損傷ショックや合併損傷、転倒の原因の見落とし
2(②)損傷部の確認:腫脹・変形・圧痛・軸圧痛、腋窩神経、橈骨動脈拍動神経血管障害に気づかないまま操作してしまう
3(①)整復の準備:肢位、固定材料、助手の配置——(安全確認後に行う段階)
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