学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ32P120

理由で解く 柔道整復師

QJ32P120 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問120
問題
17歳の男子。高校でテニス部に所属している。1か月前から体力強化のためにダッシュ、ジャンプ、ターン、ストップを主としたトレーニングを行ったところ、下腿内側に疼痛を自覚した。来所時、脛骨内側後縁に圧痛があり、扁平足がみられた。部活が休みの日には目立った疼痛はないという。考えられるのはどれか。
選択肢
1 テニスレッグ
2 シンスプリント
3 後脛骨筋腱炎
4 アキレス腱周囲炎
解答
正解2(シンスプリント)
解説

走・跳・切り返しの負荷が急に増えたあとの下腿内側痛で、脛骨内側後縁に圧痛、扁平足があり、休むと痛みが目立たない――シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)です。

シンスプリントは、下腿後面から脛骨内側縁に付着する筋(ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋)とその筋膜が、着地のたびに骨膜を繰り返し引っぱることで、脛骨内側後縁の中〜遠位1/3に炎症と疼痛を生じる使いすぎ障害です。扁平足や回内足があると、着地のたびに足部が過度に回内してこれらの筋の緊張が高まるため発症しやすくなります。運動時に痛み、休むと軽くなるという活動依存性が典型で、「部活が休みの日には目立った疼痛はない」という本例の訴えはこれに一致します。対応は練習量・路面・シューズの見直し、足部アーチを支えるインソール、下腿三頭筋と後脛骨筋のストレッチ、そして段階的な復帰です。安静時にも痛む、あるいは一点に限局した圧痛や叩打痛が出てきた場合は疲労骨折を疑い、医師の評価につなぎます。

✓ 2. 正しい
シンスプリント
トレーニング量が急増した1か月という経過、脛骨内側後縁に沿った圧痛、扁平足という素因、休息日には痛まない活動依存性――シンスプリントの典型像がそろっています。骨に沿って広めに圧痛が出るのが特徴で、この点が疲労骨折との違いになります。
✗ 1. 誤り
テニスレッグ
腓腹筋内側頭の筋腱移行部が急に断裂する外傷で、踏み込んだ瞬間に「ふくらはぎを蹴られた」ような衝撃を自覚するのが典型です。1か月かけて徐々に出てくる痛みではなく、圧痛の部位も下腿後面の筋腹〜筋腱移行部で、脛骨内側後縁ではありません。
✗ 3. 誤り
後脛骨筋腱炎
内果の後方から下方を走る腱に沿って圧痛・腫脹が出て、抵抗下の内がえしやつま先立ちで痛みます。本例の圧痛は内果ではなく脛骨内側後縁に沿って広がっており、部位が異なります。ただし扁平足が誘因になる点は共通で、両者が併存することもあるため、圧痛点を丁寧に確認します。
✗ 4. 誤り
アキレス腱周囲炎
踵骨付着部の上方2〜6cm付近、下腿後面の遠位で腱周囲に圧痛や軋轢音が生じるものです。痛む場所が下腿の後面であり、脛骨内側後縁という本例の所見とは部位が一致しません。
ポイント
  • 下腿内側の使いすぎ痛+脛骨内側後縁に沿った広めの圧痛=シンスプリント。
  • 扁平足・回内足は、後脛骨筋やヒラメ筋の緊張を高める素因になる。
  • 運動で痛み、休むと軽快する活動依存性が典型。休息日に痛まないという訴えが手がかり。
  • 一点に限局した圧痛・叩打痛、安静時痛が出たら疲労骨折を疑い医師の評価につなぐ。
  • 対応は練習量と路面・シューズの見直し、アーチ支持のインソール、ストレッチ、段階的復帰。
比較表
シンスプリント脛骨疲労骨折後脛骨筋腱炎
圧痛の範囲脛骨内側後縁に沿って広め一点に限局内果後方〜下方の腱走行部
叩打痛目立たないありなし
安静時痛ほぼない(休むと軽快)進行すると出るないことが多い
誘発走行・跳躍の反復同上(負荷の急増)抵抗下の内がえし、つま先立ち
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