学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §2 総論 運動器損傷の診察 / QJ32P101

理由で解く 柔道整復師

QJ32P101 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問101
問題
疾患と徴候の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 腸腰筋短縮-ドレーマン徴候
2 ペルテス (Perthes)病-ルドロフ徴候
3 股関節インピンジメント ーーー尻上がり徴候
4 大腿骨頭すべり症-トレンデレンブルグ徴候
解答
正解4(大腿骨頭すべり症-トレンデレンブルグ徴候)
解説

大腿骨頭すべり症では中殿筋の働きが落ち、トレンデレンブルグ徴候が陽性となる。答えは4。

徴候の名前は「どの筋・どの構造の異常を暴く操作か」で覚えると組合せ問題に強くなる。ドレーマン徴候は股関節を屈曲させると意図せず外転・外旋してしまう現象で、骨頭が後内下方へすべって屈曲軸がずれる大腿骨頭すべり症に特徴的である。ルドロフ徴候は座位で股関節を自動屈曲できなくなる所見で、腸腰筋が付着する小転子の裂離骨折を示す。尻上がり現象は腹臥位で膝を屈曲させると殿部が持ち上がる所見で、大腿直筋の短縮を示す。トレンデレンブルグ徴候は片脚立位で遊脚側の骨盤が下がる所見で、支持側の中殿筋の機能不全を意味する。

✓ 4. 正しい
大腿骨頭すべり症-トレンデレンブルグ徴候
骨頭がすべることで頸体角と大転子の位置関係が変わり、中殿筋が張力を発揮しにくくなる。患側で片脚立位をとると遊脚側の骨盤が下がり、トレンデレンブルグ徴候が陽性となる。
✗ 1. 誤り
腸腰筋短縮-ドレーマン徴候
ドレーマン徴候は大腿骨頭すべり症の徴候。腸腰筋の短縮をみるのはトーマステスト(背臥位で対側股関節を最大屈曲させ、検査側の大腿が浮くかをみる)である。
✗ 2. 誤り
ペルテス (Perthes)病-ルドロフ徴候
ルドロフ徴候は小転子裂離骨折の所見。ペルテス病(大腿骨頭の阻血性壊死)でみられるのは股関節の外転・内旋制限、跛行、大腿から膝にかけての痛みなどである。
✗ 3. 誤り
股関節インピンジメント ーーー尻上がり徴候
尻上がり現象は大腿直筋短縮の所見。大腿骨寛骨臼インピンジメントの誘発には、股関節を屈曲・内転・内旋させる前方インピンジメントテストを用いる。
ポイント
  • ドレーマン徴候=大腿骨頭すべり症(屈曲させると外転・外旋する)。
  • ルドロフ徴候=小転子裂離骨折(座位で股関節を自動屈曲できない)。
  • 尻上がり現象=大腿直筋の短縮。
  • トレンデレンブルグ徴候=中殿筋機能不全(大腿骨頭すべり症、変形性股関節症、発育性股関節形成不全など)。
  • 思春期の肥満傾向の男児が股関節~膝の痛みと跛行を訴えたら大腿骨頭すべり症を疑う。膝の痛みだけを訴えることがあるので、荷重を避けて速やかに整形外科へ紹介する。
比較表
徴候操作陽性が示すもの
ドレーマン徴候股関節を他動的に屈曲させる大腿骨頭すべり症(外転・外旋してしまう)
ルドロフ徴候座位で股関節を自動屈曲させる小転子裂離骨折(屈曲できない)
尻上がり現象腹臥位で膝を屈曲させる大腿直筋の短縮(殿部が持ち上がる)
トレンデレンブルグ徴候片脚立位をとらせる支持側の中殿筋機能不全(遊脚側の骨盤が下がる)
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