学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ32P078

理由で解く 柔道整復師

QJ32P078 柔道整復理論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問78
問題
上腕骨外顆骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 思春期に多い。
2 腕橈関節は正常に保たれる。
3 外側側副靱帯の断裂を合併する。
4 回転転位は肘関節内反強制で生じる。
解答
正解4(回転転位は肘関節内反強制で生じる。)
解説

上腕骨外顆骨折の回転転位は、肘に内反が強制されて外側側副靱帯と前腕伸筋群に骨片が引き抜かれるプルオフ機構で生じる。したがって4が正しい。

上腕骨外顆には外側側副靱帯と前腕伸筋群の共同起始が付き、骨片には関節面である上腕骨小頭が含まれる。手を衝いて肘に内反が強制されると、これらの軟部組織が外顆を外下方へ引き剥がし(プルオフ)、そのまま伸筋群が牽引を続けるため骨片は回転する。回転は最大で180度に及ぶことがあり、こうなると用手整復では関節面が戻らない。別の機序として、手を衝いた際に橈骨頭が外顆を下から突き上げるプッシュオフ型もあるが、この場合は回転転位が少ない。本骨折は関節内骨折であり成長軟骨を含むため、放置や整復不良は偽関節、外反肘、さらに年余を経て遅発性尺骨神経麻痺を招く。学童の肘の外側に限局した腫脹と圧痛を認めたら、転位の有無にかかわらず画像評価を受けられるよう整形外科へつなぐことが基本方針となる。

✓ 4. 正しい
回転転位は肘関節内反強制で生じる。
内反が強制されると外側側副靱帯と前腕伸筋群が外顆を引き剥がし、剥がれた後も伸筋群が引き続き牽引するため骨片が回転する。回転転位を残すと関節面が適合せず、偽関節や外反肘の原因になるので、早期に整形外科的な整復・固定につなげる。
✗ 1. 誤り
思春期に多い。
好発はおおむね5〜10歳の学童期で、小児の肘関節部骨折では顆上骨折に次いで多い。思春期以降は骨端の癒合が進み本骨折の頻度は下がる。年齢層を取り違えると鑑別の優先順位を誤る。
✗ 2. 誤り
腕橈関節は正常に保たれる。
外顆骨片には上腕骨小頭が含まれるので、腕橈関節の関節面そのものが骨折している。関節内骨折であり、関節面に段差が残れば可動域制限や変形性関節症につながる。
✗ 3. 誤り
外側側副靱帯の断裂を合併する。
外側側副靱帯は外顆に付着しており、骨片に付いたまま一緒に剥がれる。つまり靱帯そのものは切れず、骨性に引き抜かれる形になる。この付着関係こそが骨片の回転転位を生む原因でもある。
ポイント
  • 好発は5〜10歳の学童期。小児肘関節部骨折では顆上骨折に次いで多い。
  • 骨片に上腕骨小頭が含まれる関節内骨折で、腕橈関節面が損なわれる。
  • 外側側副靱帯と前腕伸筋群は骨片に付いたまま剥がれるため、靱帯自体は断裂しない。
  • プルオフ(内反強制)では伸筋群の牽引で骨片が回転(最大180度)。プッシュオフ(橈骨頭の突き上げ)では回転は少ない。
  • 合併症=偽関節、外反肘、遅発性尺骨神経麻痺。転位の有無にかかわらず整形外科での評価につなぐ。
比較表
項目上腕骨外顆骨折上腕骨顆上骨折
好発年齢5〜10歳5〜10歳(最多)
関節との関係関節内骨折(小頭を含む)関節包外が主体
主な機転内反強制(プルオフ)/橈骨頭の突き上げ(プッシュオフ)伸展位で手を衝く(伸展型が大半)
特徴的な転位骨片の回転転位遠位骨片の後方転位
主な後遺症偽関節・外反肘・遅発性尺骨神経麻痺内反肘、フォルクマン拘縮
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