学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §9 疾患別各論 骨および軟部腫瘍 / QJ32P058

理由で解く 柔道整復師

QJ32P058 整形外科学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問58
問題
骨肉腫で正しいのはどれか。
選択肢
1 長管骨骨幹部に好発する。
2 高率に肝転移をきたす。
3 単純エックス線でスピクラ状骨形成を示す。
4 血液所見でアルカリフォスファターゼは低値を示す。
解答
正解3(単純エックス線でスピクラ状骨形成を示す。)
解説

骨肉腫は10代に好発する原発性悪性骨腫瘍で、膝周囲の骨幹端に多い。腫瘍細胞が自ら骨(類骨)を作るため、単純エックス線で骨表面から放射状に伸びるスピクラ(日光放射状陰影)などの骨膜反応を示す。

「腫瘍が骨を作る」という一点から、この疾患の所見はほぼ説明できる。急速に増大した腫瘍が皮質を破って骨膜を押し上げるため、骨膜が持ち上げられた辺縁にコッドマン三角が、骨表面から垂直方向に伸びる腫瘍骨としてスピクラ(sunburst appearance)が現れる。骨形成が盛んな結果、血中のアルカリフォスファターゼ(ALP)とLDHが上昇し、これらは治療反応や再発の指標としても使われる。転移は血行性で、まず肺に起こるため、初診時から胸部CTでの評価が欠かせない。好発部位は大腿骨遠位・脛骨近位(膝周囲)と上腕骨近位で、成長が最も盛んな骨幹端に一致する。臨床では夜間にも続く疼痛と腫脹が続き、成長痛やスポーツ障害と紛らわしいことがある。安静で軽快しない疼痛・腫脹が続く若年者では、施術で経過をみ続けず、早期に整形外科での画像評価につなぐ姿勢が重要である。治療は術前化学療法・患肢温存手術・術後化学療法が標準となっている。

✓ 3. 正しい
単純エックス線でスピクラ状骨形成を示す。
スピクラは腫瘍骨が骨表面から放射状(針状)に伸びたもので、日光放射状陰影とも呼ばれる。骨膜が押し上げられて生じるコッドマン三角と並ぶ代表的な骨膜反応であり、境界不明瞭な骨破壊像とあわせて悪性を強く示唆する。
✗ 1. 誤り
長管骨骨幹部に好発する。
好発するのは骨幹部ではなく骨幹端で、大腿骨遠位・脛骨近位という膝周囲が最も多い。骨幹部に好発するのはユーイング肉腫であり、この対比で覚えると混同しにくい。
✗ 2. 誤り
高率に肝転移をきたす。
血行性転移の第一の標的はである。肺転移の有無が予後を大きく左右するため、診断時と経過観察中の胸部評価が重視される。
✗ 4. 誤り
血液所見でアルカリフォスファターゼは低値を示す。
ALPは骨形成が亢進するため高値となる。低値ではない。LDHとともに上昇し、化学療法の効果判定や再発の早期発見にも用いられる。
ポイント
  • 骨肉腫=10代、膝周囲(大腿骨遠位・脛骨近位)の骨幹端に好発する原発性悪性骨腫瘍。
  • 腫瘍細胞が類骨を作る → スピクラ(日光放射状)、コッドマン三角などの骨膜反応。
  • 血液検査ではALP・LDHが高値。低値と書かれていたら誤り。
  • 転移は血行性にへ。肝転移が第一ではない。
  • 安静で治まらない夜間痛・腫脹が続く若年者は、経過観察にとどめず早期に画像評価へつなぐ。
比較表
骨肉腫ユーイング肉腫骨巨細胞腫
好発年齢10代10代前半(やや若い)20〜40歳代
好発部位長管骨の骨幹端(膝周囲)長管骨骨幹、骨盤長管骨骨端(膝周囲)
X線の特徴スピクラ、コッドマン三角玉ねぎの皮様(onion peel)骨膜反応石けん泡沫状、骨端の膨隆性透亮像
全身症状乏しい発熱・炎症反応上昇(骨髄炎と紛らわしい)乏しい
悪性度悪性悪性中間悪性(局所再発しやすい)
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