学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §9 疾患別各論 骨および軟部腫瘍 / QJ34P059
理由で解く 柔道整復師
転移性骨腫瘍は骨にできる悪性腫瘍のなかで最も多く、その病変の大半は骨が溶けて抜ける「溶骨性」である。したがって正しいのは 4。
骨に住みついた癌細胞は、PTHrP や RANKL といった物質を介して破骨細胞を活性化させる。つまり癌細胞が直接骨を削るのではなく、癌が破骨細胞をけしかけて骨を壊させ、その跡地で増殖するのが転移性骨腫瘍の本質である。この機序から、単純エックス線では骨が虫食い状に抜けた溶骨性像が典型となり、病的骨折や高カルシウム血症を招きやすい。血液検査では ALP が骨転移のスクリーニング指標となり(造骨性転移や広範な骨破壊で上昇する)、前立腺癌では PSA が高値を示す。例外的に骨を作らせる造骨性(硬化性)転移を示す代表が前立腺癌で、乳癌は溶骨性が主体だが造骨性が混じることもある。転移先は赤色骨髄が豊富で血流の遅い脊椎・骨盤・肋骨、および大腿骨や上腕骨の近位側に集中し、肘・膝より末梢への転移はまれである。とくに脊椎転移では、腫瘍や圧潰した椎体が脊髄・馬尾を圧迫して下肢麻痺・膀胱直腸障害をきたすことがあり、これらを認めたら施術を続けず直ちに医師へつなぐ。なお、溶骨性病変をきたすが「転移」ではない疾患として多発性骨髄腫(骨髄の形質細胞が腫瘍化した原発性の造血器腫瘍。頭蓋骨の打ち抜き像が典型)があり、転移性骨腫瘍とは別枠で整理しておく。
| 比較項目 | 溶骨性転移 | 造骨性(硬化性)転移 |
|---|---|---|
| 頻度 | 多数を占める | 少ない |
| 代表的な原発巣 | 肺癌・乳癌(混合型のこともある)・腎癌・甲状腺癌・消化器癌 | 前立腺癌(代表的な例外) |
| 単純エックス線像 | 骨が抜けて黒く写る(虫食い状) | 骨が白く濃く写る |
| 血液検査 | 高カルシウム血症をきたしやすい。ALPも上昇しうる | ALPが著明に上昇。前立腺癌ではPSA高値 |
| 起こりやすい問題 | 病的骨折・高カルシウム血症 | 病的骨折は比較的少ない |
| 比較項目 | 転移性骨腫瘍 | 骨肉腫(原発性) |
|---|---|---|
| 好発年齢 | 中高年 | 10歳代 |
| 好発部位 | 脊椎・骨盤・肋骨、長管骨の近位側 | 長管骨の骨幹端部(膝周辺に多い) |
| 病変数 | 多発することが多い | 単発が原則 |
| 血液検査 | ALP上昇(骨転移のスクリーニング指標)、前立腺癌ではPSA高値 | 血清ALPが高値になりやすい(成長期は生理的にも高値で解釈に注意) |
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