学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §10 疾患別各論 非感染性軟部・骨関節疾患 / QJ24P058

理由で解く 柔道整復師

QJ24P058 整形外科学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問58
問題
骨粗鬆症の危険因子でないのはどれか。
選択肢
1 肥満
2 糖尿病
3 胃切除
4 関節リウマチ
解答
正解1(肥満)
解説

骨粗鬆症の危険因子として挙げられるのは、肥満ではなく「やせ(低体重)」である。したがって危険因子でないのは1。

骨粗鬆症は閉経後・老人性の原発性と、他の疾患や薬剤による続発性に分けられる。続発性の代表が、糖尿病などの内分泌代謝疾患、胃切除後の吸収障害、関節リウマチをはじめとする炎症性疾患、そして副腎皮質ステロイドの使用である。体重は骨に加わる機械的刺激そのものであり、荷重が骨形成を促すため、体重が軽いほど骨量は減りやすい。ただし肥満なら骨折しないという意味ではなく、転倒すれば骨折は起こるので、荷重運動・栄養(カルシウム、ビタミンD、蛋白質)・転倒予防を柱に指導する。

✓ 1. これが答え(危険因子ではない)
肥満
骨に対する荷重刺激が骨形成を促すため、体重が多いほど骨密度は保たれやすい。危険因子として挙げられるのは、これと反対のやせ・低体重(低BMI)である。「体重が軽いほど骨は減る」と結びつけて覚えるとよい。
✗ 2. 危険因子である(答えではない)
糖尿病
続発性骨粗鬆症の代表である。高血糖が続くとコラーゲンに終末糖化産物が蓄積して架橋が異常になり、骨密度がそれほど低くなくても骨がもろくなる。いわゆる骨質の低下により骨折リスクが上がる点が特徴である。
✗ 3. 危険因子である(答えではない)
胃切除
胃酸の分泌が減るとカルシウムが溶けにくくなって吸収が落ち、ビタミンDの吸収障害も加わるため、骨のミネラル化が障害される。胃切除後は数年経ってから骨量減少が問題になることがあり、長期的な骨評価が勧められる。
✗ 4. 危険因子である(答えではない)
関節リウマチ
炎症性サイトカインが破骨細胞の分化を促し、関節周囲だけでなく全身性の骨量減少をきたす。加えて関節痛による活動量の低下、治療で用いる副腎皮質ステロイドの影響も重なり、骨折の危険が高まる。
ポイント
  • 骨粗鬆症の危険因子は「やせ(低体重)」であって肥満ではない
  • 続発性の代表:糖尿病、甲状腺・副甲状腺機能亢進症、胃切除、関節リウマチ、ステロイド使用
  • 糖尿病は骨密度よりも骨質(コラーゲン架橋の異常)の低下で骨折しやすくなる
  • 胃切除ではカルシウムとビタミンDの吸収低下が機序
  • 荷重のかかる運動、日光浴、Ca・ビタミンD・蛋白質の摂取、住環境の転倒予防を勧める
比較表
項目危険因子か機序
肥満危険因子ではない荷重刺激で骨量は保たれやすい
やせ・低体重危険因子荷重刺激の不足、栄養不足
糖尿病危険因子終末糖化産物による骨質低下
胃切除危険因子Ca・ビタミンDの吸収低下
関節リウマチ危険因子炎症性サイトカイン、活動量低下、ステロイド
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