学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §11 止血 / QJ32P053

理由で解く 柔道整復師

QJ32P053 外科学概論

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問53
問題
出血と症状や処置の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 鼻出血-嚥下を促す。
2 吐血-気管からの出血である。
3 静脈性出血 -勢いよく拍動性に噴出する。
4 四肢の比較的太い動脈からの出血-緊縛法を用いる。
解答
正解4(四肢の比較的太い動脈からの出血-緊縛法を用いる。)
解説

出血への対応は、まず「どこから出ているか」と「動脈性か静脈性か」を見分けることから始まります。四肢の比較的太い動脈からの出血で直接圧迫が効かないときに緊縛法(止血帯法)を用いるという組合せが正しい記述です。

出血の性状は血管の種類で決まります。動脈性出血は心拍に同期して鮮紅色の血液が拍動性に噴出し、短時間で大量に失われます。静脈性出血は暗赤色の血液が持続的にじわじわ湧き出るように流れ出ます。毛細血管性出血は創面全体からにじみ出ます。止血の第一歩は例外なく直接圧迫止血で、清潔なガーゼやパッドを当てて出血点を強く押さえ、可能なら患部を心臓より高く挙上します。それでも制御できない四肢の太い動脈性出血に限って、緊縛法(止血帯法)を選択します。緊縛法では幅3cm以上の帯を用いて出血部より中枢側を締め、装着時刻を必ず記録し、そのまま速やかに医療機関へ搬送します。細い紐やロープで締めると組織や神経を局所的に損傷するため用いません。

✓ 4. 正しい
四肢の比較的太い動脈からの出血-緊縛法を用いる。
四肢の太い動脈が損傷されると、直接圧迫だけでは短時間に致命的な失血に至ることがあります。この状況が緊縛法(止血帯法)の適応です。四肢という「中枢側で一括して血流を遮断できる部位」であることが前提で、体幹部には使えません。装着したら開始時刻を記録し、緩めずに医療機関へ搬送します。
✗ 1. 誤り
鼻出血-嚥下を促す。
血液を飲み込ませると胃を刺激して悪心・嘔吐を招くうえ、出血量が把握できなくなります。正しくは座位でやや前傾させ、うつむいた姿勢で口内の血液は吐き出させ、鼻翼を外側から母指と示指でつまんで10〜15分持続圧迫します。多くはキーゼルバッハ部位からの出血で、この圧迫で止まります。
✗ 2. 誤り
吐血-気管からの出血である。
吐血は食道・胃・十二指腸といった上部消化管からの出血が嘔吐を伴って口から出たものです。胃酸で変性してコーヒー残渣様の暗赤色になり、食物残渣が混じることもあります。気管・気管支・肺からの出血は喀血と呼び、咳とともに鮮紅色・泡沫状の血液が出る点で区別します。
✗ 3. 誤り
静脈性出血 -勢いよく拍動性に噴出する。
拍動性に噴出するのは動脈性出血の特徴です。動脈は心拍の圧を直接受けているため、噴出のリズムが脈と一致します。静脈性出血は圧が低く、暗赤色の血液が持続的に湧き出るように流出します。
ポイント
  • 止血の第一選択は常に直接圧迫止血。挙上を併用し、それでも止まらない四肢の動脈性出血に緊縛法を追加する。
  • 動脈性=鮮紅色・拍動性に噴出/静脈性=暗赤色・持続的に湧き出る/毛細血管性=創面からにじむ。
  • 吐血は上部消化管、喀血は気道。色(暗赤色 vs 鮮紅色)、泡の有無、随伴症状(嘔吐 vs 咳)で見分ける。
  • 鼻出血は座位・前傾・うつむき+鼻翼圧迫10〜15分。飲み込ませず吐き出させる。
  • 緊縛法は幅3cm以上の帯を用い、装着時刻を記録して速やかに搬送する。
比較表
吐血喀血
出血源上部消化管(食道・胃・十二指腸)気管・気管支・肺
出かた嘔吐とともに咳とともに
色調・性状暗赤色〜コーヒー残渣様、食物残渣が混じる鮮紅色、泡沫状
随伴心窩部痛、黒色便(タール便)呼吸器症状、喘鳴
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