学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §16 主要な疾患 内分泌・代謝疾患 / QJ32P037

理由で解く 柔道整復師

QJ32P037 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問37
問題
尿崩症で分泌異常がみられるのはどれか。
選択肢
1 エストロゲン
2 コルチゾール
3 テストステロン
4 バソプレッシン
解答
正解4(バソプレッシン)
解説

尿崩症は抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌低下、あるいは腎における反応性の低下によって起こる。よって正解は4。

バソプレシン(ADH)は視床下部で産生され下垂体後葉から分泌されるホルモンで、腎の集合管に働いて水の再吸収を促し尿を濃縮する。この働きが失われると、大量の低張尿(薄い尿)が出て多尿となり、脱水と血漿浸透圧の上昇から強い口渇と多飲が生じる。下垂体・視床下部の腫瘍、外傷、手術などで分泌が低下するものを中枢性尿崩症、腎側の受容体異常などでADHが効かないものを腎性尿崩症という。糖尿病でも多尿・口渇がみられるが、こちらは尿糖による浸透圧利尿であり、尿は高比重で尿糖陽性となる点が異なる。逆にADHが過剰に分泌されるとSIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)となり、水が体内にたまって低ナトリウム血症をきたす。

✓ 4. 正しい
バソプレッシン
抗利尿ホルモンそのもの。分泌低下(中枢性)または腎の反応性低下(腎性)により尿が濃縮できなくなり、多尿・口渇・多飲をきたす。
✗ 1. 誤り
エストロゲン
卵巣から分泌される女性ホルモン。分泌異常は月経異常や不妊に関与し、閉経後の低下は骨粗鬆症の危険因子となるが、尿崩症とは関係しない。
✗ 2. 誤り
コルチゾール
副腎皮質から分泌される糖質コルチコイド。過剰でクッシング症候群、不足でアジソン病をきたす。尿の濃縮を直接担うホルモンではない。
✗ 3. 誤り
テストステロン
精巣から分泌される男性ホルモン。分泌低下は性腺機能低下症に関与するが、尿量の調節には関与しない。
ポイント
  • バソプレシン(ADH)=視床下部で産生、下垂体後葉から分泌、集合管で水を再吸収
  • 尿崩症=多尿・低比重(低張)尿・口渇・多飲。中枢性と腎性がある
  • 糖尿病の多尿は尿糖による浸透圧利尿。高比重・尿糖陽性で区別できる
  • ADH過剰=SIADH。水貯留により低ナトリウム血症をきたす
  • 下垂体後葉ホルモンはバソプレシンとオキシトシンの2つ
比較表
病態尿量尿比重・尿糖機序
中枢性尿崩症著明に増加低比重、尿糖なしADHの分泌低下
腎性尿崩症著明に増加低比重、尿糖なし腎がADHに反応しない
糖尿病増加高比重、尿糖陽性尿糖による浸透圧利尿
SIADH減少高張尿ADH過剰→水貯留、低Na血症
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