学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ32P035

理由で解く 柔道整復師

QJ32P035 一般臨床医学

出典:第32回柔道整復師国家試験(2024)午後 問35
問題
急性心筋梗塞の合併症で誤っているのはどれか。
選択肢
1 心室中隔穿孔
2 心室細動
3 心肥大
4 心不全
解答
正解3(心肥大)
解説

心肥大は高血圧や弁膜症などで心臓に慢性的な負荷がかかって生じる変化であり、急性心筋梗塞の合併症として挙げられるものではない。よって誤りは3。

急性心筋梗塞では冠動脈が閉塞し、その支配領域の心筋が壊死する。合併症は時期で整理すると理解しやすい。発症直後から数時間は、心室期外収縮・心室頻拍・心室細動といった致死性不整脈が起こりやすく、これが病院外突然死の主因である。ポンプ機能が低下すればうっ血性心不全、壊死範囲が広ければ心原性ショックとなる。発症数日後には壊死した心筋がもろくなり、心室中隔穿孔、乳頭筋断裂による急性僧帽弁閉鎖不全、自由壁破裂による心タンポナーデが起こりうる。慢性期には心室瘤や心膜炎(ドレスラー症候群)がみられる。一方、心肥大は圧負荷・容量負荷が長期間続いた結果として生じるもので、高血圧性心疾患や大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症を代表とする所見である。

✓ 3. 誤り(これが答え)
心肥大
心筋が慢性の圧負荷・容量負荷に適応して厚くなった状態で、高血圧性心疾患、大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症などでみられる。急性心筋梗塞の合併症としては挙げられない。
✗ 1. 正しい(答えではない)
心室中隔穿孔
合併症である。壊死した心室中隔がもろくなって穿孔し、左右短絡による急性心不全と胸骨左縁の汎収縮期雑音をきたす。発症後数日以内に起こりやすい。
✗ 2. 正しい(答えではない)
心室細動
合併症である。急性期に最も多い致死性不整脈で突然死の主因。目撃した場合はただちに胸骨圧迫を開始し、AEDによる除細動を行う。
✗ 4. 正しい(答えではない)
心不全
合併症である。壊死により収縮力が低下してうっ血性心不全となり、広範囲梗塞では心原性ショックに至る。
ポイント
  • 急性期(数時間以内)=致死性不整脈(心室細動)が最多。突然死の主因
  • 数日後=心室中隔穿孔、乳頭筋断裂、心破裂(心タンポナーデ)
  • ポンプ失調=うっ血性心不全、心原性ショック
  • 慢性期=心室瘤、心膜炎(ドレスラー症候群)
  • 心肥大は慢性の圧・容量負荷による所見(高血圧、弁膜症、肥大型心筋症)
比較表
時期主な合併症ポイント
発症直後〜数時間心室細動、心室頻拍、房室ブロック突然死の主因。除細動が必要
数時間〜数日心不全、心原性ショック壊死範囲が広いほど重症
数日後心室中隔穿孔、乳頭筋断裂、心破裂壊死心筋が脆弱化する時期
慢性期心室瘤、ドレスラー症候群数週以降にみられる
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。