学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ31P035

理由で解く 柔道整復師

QJ31P035 一般臨床医学

出典:第31回柔道整復師国家試験(2023)午後 問35
問題
高血圧に対する生活習慣の改善で適切でないのはどれか。
選択肢
1 BMIは 25未満に維持する。
2 1日あたりの食塩摂取量は10gを目標にする。
3 野菜、果物、低脂肪乳製品を積極的に摂取する。
4 ややきつい程度の有酸素運動を1日30分以上行う。
解答
正解2(1日あたりの食塩摂取量は10gを目標にする。)
解説

高血圧の生活習慣修正で、減塩の目標は1日6g未満です。10gは日本人の平均的な摂取量に近く、目標として緩すぎます。

第31回が実施された2023年時点で用いられていた高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)は、生活習慣の修正項目として6つを挙げています。①減塩:食塩6g/日未満、②食事パターン:野菜・果物の積極的摂取と、飽和脂肪酸・コレステロールの摂取制限、多価不飽和脂肪酸や低脂肪乳製品の摂取、③減量:BMI 25未満(適正体重の維持)、④運動:有酸素運動を毎日30分、または週180分以上、⑤節酒:エタノール換算で男性20〜30mL/日以下、女性10〜20mL/日以下、⑥禁煙。日本人の食塩摂取量は成人平均で10g前後あり、「今の平均並み」を目標に据えても降圧効果は期待できません。なお、これらの修正は単独よりも複数を組み合わせたほうが降圧効果が大きいこと、腎障害や糖尿病がある人では野菜・果物のカリウムや果糖に制限が必要で主治医の指示が優先されることも押さえておきましょう。

✗ 1. 適切(答えではない)
BMIは 25未満に維持する。
肥満はインスリン抵抗性や交感神経活性の亢進を介して血圧を上げるため、適正体重(BMI 25未満)の維持がガイドラインの目標として示されています。約4kgの減量で明らかな降圧が得られると報告されています。
✓ 2. これが答え(適切でない)
1日あたりの食塩摂取量は10gを目標にする。
高血圧患者の減塩目標は6g/日未満です。10gは日本人成人の平均摂取量とほぼ同じで、修正目標として機能しません。汁物を減らす、麺類の汁を残す、加工食品や漬物を控える、だし・酸味・香辛料で味を補うといった具体策とセットで指導します。
✗ 3. 適切(答えではない)
野菜、果物、低脂肪乳製品を積極的に摂取する。
カリウム・食物繊維の摂取を増やし、飽和脂肪酸とコレステロールを控える食事パターンが推奨されています。ただし腎障害のある人ではカリウム制限が、糖尿病のある人では果物の摂り過ぎへの注意が必要で、主治医の指示を優先します。
✗ 4. 適切(答えではない)
ややきつい程度の有酸素運動を1日30分以上行う。
ガイドラインでは有酸素運動を毎日30分以上、または週180分以上行うことが勧められています。歩行・速歩・水泳などを、続けられる強度で毎日積み重ねるのが基本です。
ポイント
  • 減塩の目標は食塩6g/日未満(日本人の平均は10g前後)
  • 適正体重はBMI 25未満、運動は毎日30分または週180分以上
  • 野菜・果物・低脂肪乳製品を積極的に、飽和脂肪酸とコレステロールは控える
  • 節酒はエタノール換算で男性20〜30mL/日以下、女性10〜20mL/日以下。禁煙も必須
  • 複数の修正を組み合わせるほど降圧効果は大きい
  • 腎障害・糖尿病がある人ではカリウムや果物に制限があり、主治医の指示を優先
比較表
修正項目目標(JSH2019)
減塩食塩6g/日未満
食事パターン野菜・果物の積極的摂取、飽和脂肪酸・コレステロールの制限、低脂肪乳製品の摂取
減量BMI 25未満
運動有酸素運動を毎日30分、または週180分以上
節酒エタノールで男性20〜30mL/日以下、女性10〜20mL/日以下
禁煙受動喫煙の防止を含めて禁煙
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。