学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §14 主要な疾患 循環器疾患 / QJ30P035

理由で解く 柔道整復師

QJ30P035 一般臨床医学

出典:第30回柔道整復師国家試験(2022)午後 問35
問題
心房細動で誤っているのはどれか。
選択肢
1 左房内血栓を生じやすい。
2 脳梗塞を起こしやすい。
3 脈は規則的である。
4 高齢者に多い。
解答
正解3(脈は規則的である。)
解説

心房細動の脈はまったく不規則で、絶対性不整脈とよばれます。「脈は規則的である」が設問の求める誤りです。

心房細動では心房が秩序を失って毎分400〜600回の細かい興奮を起こし、そのうちのごく一部だけが房室結節を不規則に通り抜けて心室に伝わります。そのため心室の収縮間隔が一定にならず、リズムも強さもばらばらの脈になります。弱い収縮では末梢まで拍動が届かないため、心拍数より脈拍数が少なくなる脈拍欠損も生じます。さらに心房が有効に収縮しないので左心房、とくに左心耳に血液が滞って血栓ができ、これが飛べば心原性脳塞栓症を起こします。加齢とともに頻度が増し、高血圧、心不全、弁膜症、甲状腺機能亢進症などが背景になります。抗凝固療法の適応判断が重要な不整脈です。

✓ 3. これが誤り(=正解)
脈は規則的である。
心房細動の脈はリズムも大きさも不規則で、絶対性不整脈といわれます。脈拍欠損も伴うため、この記述が誤りであり設問の答えになります。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
左房内血栓を生じやすい。
心房が有効に収縮しないため左心房、とくに左心耳に血液が滞り血栓ができます。正しい記述なので答えにはなりません。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
脳梗塞を起こしやすい。
左房内の血栓がはがれて脳動脈に詰まると心原性脳塞栓症となり、突然発症で梗塞範囲が大きくなりやすいのが特徴です。正しい記述です。
✗ 4. 正しい記述(答えではない)
高齢者に多い。
加齢とともに有病率が上がる代表的な不整脈です。正しい記述なので、この問題の答えにはなりません。
ポイント
  • 心房細動=絶対性不整脈。脈のリズムも強さも不規則で、心拍数>脈拍数(脈拍欠損)となる。
  • 心電図ではP波が消えて細かいf波となり、RR間隔が不規則になる。
  • 左心耳に血栓ができ、心原性脳塞栓症の原因となる。突然発症で広範な梗塞になりやすい。
  • 加齢が最大の危険因子。高血圧、心不全、弁膜症、甲状腺機能亢進症も背景になる。
  • 橈骨動脈で不規則な脈に気づいたら、心尖部での心拍数も測り、脈拍欠損の有無を記録して医療機関受診を勧める。
比較表
項目正常洞調律心房細動
脈のリズム規則的まったく不規則(絶対性不整脈)
P波あり消失し細かいf波となる
心拍数と脈拍数一致する心拍数>脈拍数(脈拍欠損)
血栓のリスク低い左心耳に血栓、心原性脳塞栓症
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